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我慢しなくていいんだよ ページ34

高橋side


『高橋さん、ありがとうございます。

すみません、いつもいつも…』


高橋「そんな…全然大丈夫ですよ。

大丈夫ですか?突然起こったんですか?」


『ドキュメンタリーのインタビューを受けてて…』


高橋「あぁ…」


『言わないようにしてただけで、しんどい時あったみたいなんです』


高橋「そうかぁ…」




MV撮影も終わって、それぞれ解散となった。

先輩メンバーは、今日は終わり。

何となくみんなで残って、お喋りして。

ふといなくなった優子が戻ってきて。

Aのとこ、行ってって寂しそうに言うから。

向かってたら、マネージャーさんが飛んできて。

発作が起きてるから来て欲しいって。

何となく繋がって、今ここにいる。




『病院に行くのは怖いみたいなんです。

やっぱり、精神的なものは抵抗があるみたいで。

母親も、あまり理解がないらしくて。

余計に行かないってなってしまって…』


高橋「それは本当に、本人の気持ち次第ですから。

Aが嫌なら、無理には…」


『そうですよね』


高橋「A、最近頑張ってたもんなぁ…

優子が卒業発表してからずっと。

全然辛そうな素振りもなくて。

意識的に隠しちゃってたんだろうなぁ」


『確かに最近、よく言ってました。

もう優子さんはいないんだから。

自分でどうにか出来ないとダメなのって』




心配かけたくない。

安心して卒業して欲しい。

Aにとっての大きな愛。

それは、大きな自己犠牲を伴う。




「たかみなさん…」


高橋「A、大丈夫?」


「もう大丈夫です……っと」


高橋「おぉ、無理して起きなくていいよ」


「ごめんなさい…」


高橋「ううん、楽な姿勢でいな」


「カメラさん、怒っちゃったかな…」


高橋「気にしなくて大丈夫だよ。

年頃の女の子を撮ってる方は、みんな把握してる。

ナイーブな内容を撮ってるから尚更ね」


「…はい」


高橋「優子の卒業は、Aにとってすごく大きな問題だよね」


「私だけじゃないのは分かってるんですけど…」


高橋「Aにとっては、みんな以上に特別な理由があるでしょ?」


「まぁ…」


高橋「ごめん、もっとフォロー入れるべきだった」


「そんな…」


高橋「私で良かったらさ、何があったか話してよ」




優子の代わりにはなれないかもしれない。

それでも、彼女が受け止めきれないものは受け止めたい。

彼女の意思は尊重しながらね。

私に出来ることなら、全部やるって決めたんだ。

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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年2月2日 11時

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