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「さっきはごめん、びっくりしたよね」
堀「びっくりしましたけど、すごく嬉しかったです」
「…ごめんね」
堀「そんな…白橋さん、何も悪いことしてないじゃないですか。
白橋さんが強くいて下さってるから、私も頑張れたんですよ」
「うん…ありがとう」
堀「こちらこそです」
「あとさ…その、白橋さんって止めてよ」
堀「え?」
「…下の名前で呼んで欲しい」
堀「じゃあ…Aさん」
「うん、私も未央奈って呼んでいい?」
堀「もちろんです!ありがとうございます!」
衝動勝ちだ。
最大のクリスマスプレゼントは、これだったのかもしれない。
高く作り上げていた壁。
自らの手で壊す勇気。
私は、その両方を手に入れた。
自らの手で掴んだ。
一夜にして、何回りか強くなれた気がする。
北野「未央奈お疲れー!」
新内「いやぁ、トナカイ気づかれたかな?笑」
「2人ともお疲れ様〜」
北野「白橋さん、お疲れ様です!」
新内「お疲れ様です!」
「トナカイさん良かったよ」
北野「白橋さんのサンタコス、すっごい可愛かったです!」
新内「裏で拝んでました」
「え〜ありがとう笑」
ほとんど話したことのない2期生。
今なら行ける。
今の私は、無敵だ。
どこからか、そんな自信が湧き上がっていた。
「ねぇねぇ、2人ともあだ名で呼んでいい?」
北野「えっ…」
「ダメかな?」
新内「逆にいいんですか?」
「あれ、まいちゅんときいちゃんだよね?」
新内「そうです…」
北野「私はほぼ名前で呼ばれてますけど、あだ名はきいちゃんです!」
「あ、じゃあ日奈子にする。
2人のこと、そう呼んでもいいかな?」
北野「嬉しいです!ぜひ!」
新内「ありがとうございます!」
「あのさ、私もお願いがあって…」
新内「なんですか?」
「私のことも、下の名前で呼んで欲しいなぁ」
新内「いいんですか?」
「むしろお願いしたいです…」
北野「じゃあ…Aさん!」
「うん、今未央奈にもそう言ったんだ!」
新内「じゃあこれからは、Aさんって呼ばせて頂きます!」
「ありがとう〜」
これは、また1つ乗り越えられた証だよね。
優子さんにも、強くなるって宣言した。
こうやって1歩ずつ、階段を上っていく。
大好きな人に笑って欲しいから。
そして、自分は大丈夫だって自分に言ってあげたいから。
聖夜の夜、私は両手に抱えきれない程のクリスマスプレゼントを手に入れた。
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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年2月2日 11時