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星野side


頭が真っ白になった。

こっち側で終えた、初めての選抜発表。

そっか…

みなみ、選抜から落とされたんだ。

収録が終わって、やっと少しずつ実感し始めた。




「みなみ…」


星野「A、お疲れ…」


「うん、お疲れ」


星野「ちょっと話せる?」


「大丈夫だよ」




スタジオから出ると、待ってましたとばかりにAがいた。

みなみも、ちょうど話したかった。

自分の気持ち、まだ整理出来てないけど…

パッと頭に浮かんだのはAの顔で。

話を聞いて欲しいって、衝動的に思った。




星野「びっくり…したよね。

みなみもね、呼ばれなかった時は驚いた」


「うん…」


星野「でも、分かってる自分もいた。

だって、どう考えてもおかしいもん。

みなみが選抜にいるってこと自体が」


「なんで?」


星野「実力もない、強みもない。

言い訳ばっかりして、努力もしないで。

反抗期だからって、手を抜いたから。

そんな人が選抜なんて、やっぱりダメだと思う。

だから、仕方ないなって思ってるよ。

落ちた要因、ちゃんと自分で分かるもん」




これまでの活動を振り返る。

みなみに、選抜の自覚が足りなかったのは事実。

大した努力もしないで選抜にいるなんて、絶対にダメだ。

だから、今回の結果は当然だと受け止めている。




「本音言ってもいい?」


星野「うん、言って」


「みなみの言ってることは、間違ってないと思う。

友達だから言えなかったけど、やっぱり考え方は温いと思う。

だから今回は、当然っちゃ当然だなって私は思うよ。

けど、ここで諦めて欲しくないな。

私、みなみと活動したいから。

私にはみなみが必要だから。

絶対、また戻って来て欲しい」


星野「A…」


「私は、みなみの力不足だとは思ってないよ。

ダンスも上手いし、誰とでも仲良く出来るし。

何しても可愛くて、やる時はやる。

みなみのいい所、たくさん知ってる。

だから、絶対にまた選抜に戻れるよ。

私、待ってるから」


星野「…ありがとう、A。

また逃げそうになってた。

諦めちゃおうかなって思ってた。

当然だと頭では分かってたけど、受け入れられなくて。

でも、それじゃダメだね。

みなみ、アンダーでも頑張るよ。

また選抜に戻れるように、Aと活動出来るように頑張る」




逃げは負けだ。

何に対しても本気で戦ったことがなかった。

今初めて、戦おうとしてる。

大好きな友達と、破れない約束をしたから。

怒りの炎に炙られて→←悔しさは溶かして昇華しよう



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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年1月29日 14時

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