青い梅雨晴れ空 ページ6
「ん…」
橋本「おはようA」
「あ、ななみんのお家泊まったんだった…」
橋本「スッキリした?」
「すごい気持ちが軽くなった。
ごめんね、ご飯まで作ってもらっちゃって」
橋本「全然よ、むしろ話せて良かった」
「私も、話して良かった」
瞼の裏が明るくなって目を開けたら、見慣れない天井があった。
匂いも、自分の部屋じゃない。
モゾモゾしてたら、大好きな声が降ってきた。
そうだ、昨日はあのまま、ななみんの部屋に泊まったんだ。
喉につっかえていた鉛は、もう溶けてなくなっていた。
橋本「お母さんからのプレッシャーはさ、確かにあると思うけど。
でも、純粋に応援してくれてる人もたくさんいるからさ。
まぁ、お母さんもそうなんだとは思うけど。
ただ、やっぱり数字とか、目に見える結果にこだわるタイプなのかな。
それも間違いじゃないけどね。
けど、AはAらしく挑めばいいよ」
「…うん」
橋本「少なくとも私は、何位とか関係なく楽しみだよ。
乃木坂46の白橋Aが、総選挙でどこまで行けるのか」
「ありがとう」
橋本「仮にね、順位がつかなかったとしてもよ?
それは、Aに力がないわけじゃないから。
だって、あの天下のAKBさんだよ?
恥じることも、臆することもないよ」
「ななみん…好き」
橋本「やだ、唐突に告白された笑」
「ありがとう、元気出た」
昨晩、ななみんの家で気持ちを吐き出した。
ママのちらし寿司は、緊張であまり食べられなかった。
ななみんは、温かいうどんを作ってくれて、それは食べられた。
2人きりの安心感からか、するすると本音が出てきた。
プレッシャー、不安、矛盾に対する疑問、メンバーのこと…
思ったよりたくさん、言葉にできた。
橋本「そのままでも、十分素敵だから大丈夫。
みんな、テレビの前で応援してるから」
「ちゃんと感じてるね」
橋本「胸張って行ってきな?」
「よし、頑張る!」
橋本「そう言えるのが、Aの強さだね」
「AKBさんはね、みんなこんな感じなの。
自分で自分を奮い立たせるっていうか。
総選挙の期間、みんなそうだった」
橋本「Aもちゃんと、AKBだよ」
「ふふっ…ありがと」
橋本「待ってるからね」
「うん、行ってきます」
ななみんのおかげで、通常モードに復活!
私らしく、前向いて頑張って来よう。
どんな結果でも、それが今の私の実力。
梅雨晴れの空は、どこまでも青かった。
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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年1月13日 1時