検索窓
今日:26 hit、昨日:51 hit、合計:49,975 hit

呪文で固く縛り付けて ページ25

「ただいまー」


『おかえりA、選抜発表どうだった?』


「今回は、フロントで福神だったよ」


『え、センターじゃないの?』


「乃木坂は、センターローテーション制だからね」


『でも、こないだ総選挙で24位だったんだよ?

1番乃木坂に貢献してるはずなのに…

やっぱり、アンダーガールズじゃダメだったのかな』


「そういうことじゃないと思うけど…」


『センターは生駒ちゃん?』


「うん」


『やっぱり…何が足りないのかな。

生駒ちゃんに比べて、何が劣ってる?』


「いや、それは分からないけど…」




寮に帰ったら、ママがいた。

選抜発表って言ったから、予想はしてたけど。

ママはどうにも、センターにこだわってる。

別に、センターだけがポジションじゃないのにな。

それぞれの場所には、それぞれの役割があるし。

でも、トップになるって言って乃木坂に入った。

だから、ママは間違ってないんだと思う。

私が自分に言い訳してるだけ。




『そうそう、今日は話があって来たの。

もうすぐ夏休みでしょ?

東京でも、しっかり夏期講習は通ってね?』


「え、でも仕事…」


『仕事と勉強どっちが大事なの!?

勉強は、ずーっと使えるんだよ?

ここで頑張らなかったら、一生勝ち組にはなれないの!

アイドルで失敗したら一般人なんだからね!

その時に、勉強はできた方が有利でしょ!』


「…ごめんなさい」


『夏期講習に行かないなんてダメだからね。

そんなの、ルール違反だから。

守れないなら乃木坂辞めさせるよ?』


「ダメ!」


『でも、それが乃木坂に入る約束だからね?

忘れてないでしょうね?』


「うん、忘れてない。

だから、ちゃんと勉強もしてる」


『当たり前でしょ。

神奈川で通ってた塾、東京でも見つけたから。

寮母さんやマネージャーさんには、迷惑かけられないでしょ?

だから、ママが送り迎えしてあげるからね』


「うん、ありがと」


『神奈川の塾長が、話通してくれてたんだよ。

だから、夏休みに入ったらすぐ行けるから。

スケジュールは、ママから今野さんに話しとくね』


「分かった…」


『テキストは、明日ママが貰いに行ってくるから。

夏期講習までにちゃんと終わらせとくんだよ?

神奈川では、成績トップクラスだったんだから。

東京でもきっと大丈夫だよ』




余計なことは考えない。

全部自分のためだから。

今まで、そうじゃないことがなかった。

これは、私の私に対する呪文なんだ。

・→←・



目次へ作品を作る
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
133人がお気に入り
設定タグ:乃木坂46 , AKB48 , アイドル
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年1月13日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。