やっぱりあなたはキャプテンだよ ページ21
収録終わり、間髪入れずに集合がかけられた。
スタジオの空き部屋、体育座りをして待つ私たち。
選抜発表の後だから、地獄のような空気だ。
それでも、逃げることは許されなくて。
息をするのも憚るくらい、空気が冷たく張り詰めていた。
早く、話をして欲しい。
一点を見つめながら、それしか考えられない。
ただじっと、スタッフさんを待っていた。
『お疲れ様です』
「「お疲れ様です…!!」」
『今集まってもらったのはね、みんなに発表があるからです』
珍しく、今野さんが収録現場に同行してた。
最近は乃木どこの収録も、メンバーだけで盛り上げられるようになってきた。
それと比例して、グループの冠番組に運営の方が着くことは減った。
だから何かあるとは思ってたけど、相当大きそうな話だ。
固唾を飲んで、次の言葉を待っていた。
『乃木坂46には今、キャプテンがいません。
桜井に暫定キャプテンを務めてもらってると思います。
みんなもね、何となく慣れて来たとは思うんだけど。
そろそろ、結成から1年を迎えようとしているということで。
ケジメをね、付けるべきなんじゃないかと思うんです。
なので今日から、新しくキャプテンを任命します。
これが本当の、乃木坂46のキャプテンです』
なるほど、キャプテンの発表があったのか。
当たり前のように、玲香がキャプテンの役目をやってたから。
さっきの収録の締めも、玲香がやってくれたし。
結成してすぐ、乃木坂は暫定キャプテンを置いていた。
そこで選ばれたのが玲香で、まぁそれはそれは適任で。
このままずっと、玲香がキャプテンやるんだろうな。
乃木坂のキャプテンは玲香だろうと、信じて疑わなかった。
でも、今の話の流れ的に違うのかな?
玲香じゃない誰かがやるのかな?
どうにも複雑な気持ちになる。
:
『乃木坂46の正式なキャプテンは、桜井玲香にお願いします』
桜井「えっ……はい」
やっぱり玲香だよね。
名前を呼ばれたのが玲香で、分かってはいたけど安心した。
良かった…っていう安堵の気持ちで、バクバクしていた心臓が落ち着いた。
みんな同じなのか、強ばっていた顔がフッと緩まった。
これは言い方が悪いよね。
玲香じゃないのかなって、普通に不安を煽ってるもん。
とにかく、玲香が乃木坂の正式なキャプテンになってくれて良かった。
当の本人は、まだ飲み込めずに目をまん丸にしてるけど。
いやぁ、やっぱり玲香しかいないよね。
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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年1月13日 1時