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特別な朝 ページ16

松村side


自分のことじゃないのに、ドキドキしてあまり眠れなかった。

色んなネット記事を見ていたら、いつの間にか朝になっていた。

初夏の薄明かりと共に、共有スペースに向かう。




松村「あれ、早いなぁ」


「あ、さゆりんおはよ」


松村「おはよ…眠れなかった?」


「なんか目が覚醒しちゃって。

ドキドキして眠れなかった笑」


松村「そりゃそうよな笑」


「さゆりんは?」


松村「うちも同じ、なんか興奮しちゃって笑」


「えー、なんか嬉しい」




そこには、既に先客がいた。

華奢なシルエットは、間違いなく昨日の主人公。

窓辺で朝日に揺れる後ろ姿は、息を呑むほど美しい。




松村「すごいなぁ、ほんまに。

AKBさんと兼任してるだけやなくて、総選挙で結果まで残すなんて。

どんどん乃木坂の名前を広めてくれて。

最高にかっこよくて、尊敬しかない」


「えー、そんなことないよ。

乃木坂は、メンバーみんなすごいもん。

ダンスに長けてる子もいて、歌に長けてる子もいて。

私だけじゃないよ、全然」


松村「みんなもすごいけど、Aもすごいで。

24位なんて、夢みたいやなぁ」


「でも…まだまだ課題はあるからさ。

私、やっぱりファン目線で総選挙に臨んでたところがあって。

甘かったんだなって思う部分もあった。

だから、ここで甘んじてちゃダメなんだよなって」




あまりに見ている方向が違くて驚いた。

彼女は、もうずっと先の未来を見据えていた。

どうしてこんなに、強いんだろう。

前から思ってたけど、特に不思議で不思議で仕方ない。




松村「なんでAは、そんなに強いの?」


「えー、強くなんかないよ。

ただ、ママに言われたからさ。

ここで満足しちゃダメだよって。

私は乃木坂が大好きだから、確かになって思っただけだよ」


松村「そっかぁ…」


「あぁ、ごめんごめん!

全然…そんな、重いとかそういうんじゃないからね!

ただ、私はこの経験を無駄にしたくない。

総選挙で得たものは、ちゃんと乃木坂に生かさないと。

それはね、自分で決めたんだ」


松村「うちも、負けないように頑張る。

Aの見た景色、うちも早く見たいな」




きっと彼女は、いくつものヴェールを被っている。

まだ見る勇気はないけど、いつかは覗いてみたい。

そのためには、私ももっと色んな経験をしなきゃ。

いつも人気者の彼女と、久しぶりにゆっくり話した朝時間。

特別な話を聞けた気がして、ちょっと嬉しくなった。

・→←凍てつく打ち水



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設定タグ:乃木坂46 , AKB48 , アイドル
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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年1月13日 1時

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