検索窓
今日:7 hit、昨日:22 hit、合計:46,417 hit

ページ33

「でも、どうして私なんですか?

スキルで言うなら、もっと他にも…

負けず嫌いなメンバーもたくさんいますし」


『それは、今野から説明してもらおうか』


「今野さん…」


『白橋が最年少で、かつ1番人気だからだ』


「えっ?」


『最年少というのは、みんなの指標になる。

年齢は、良くも悪くも武器になる。

でも白橋は、それを利用しない。

最高のアドバンテージがあるのに、敢えて使わない。

それでも、結果を常に出している。

自分の努力と才能で、自ら1番人気を獲得してキープしている。

自分の人気は、客観的に把握しているよね?』


「…まぁ」


『だから、白橋に賭けたいと思った。

最年少の1番人気メンバーが、ライバルグループに行く。

もっと成長して、もっと大きくなることは目に見えている。

そういう時、グループはもっと活性化するんじゃないかな。

全体に火をつけることになる。

白橋には、それが出来ると思う。

そして白橋自身にとっても、成長できる大チャンスだ。

AKBに触れることで、乃木坂に足りないものが分かる。

それを伝えるのが仕事。

そういうのは、ある程度の人気がないと説得力が生まれないからね』




嬉しくない言葉じゃない。

ただ、飲み込むのには時間がかかった。

胸に落ちた言葉は、そのまま消化はされない。

じっくりと噛み締めた。




『白橋の不安、当てようか。

お母さんが反対するかもしれない……だろ?』


「えっ…」


『まぁ、何となく分かるよ。

まだ11歳だし、1人で決めるのには限界があるからね。

ちなみにお母さんは、賛成してくれているよ。

もう既に話はしてある。

納得して、ぜひお願いしますと言っている』


「ママに話したんですか?」


『それはもちろん、未成年だから。

親の反対があったら、強行突破はできない』




驚いた。

私が即決できない理由の1つを見抜かれてたことが。

もちろん、メンバーの反応も不安だ。

でもそれ以上に、ママがなんて言うのか不安だった。

それは、事前に解消されていた。




「いつまでに決めればいいですか」


『発表は、デビュー日にしようと思ってる』


「リクエストアワーってことですか?」


『うん、他の人にはサプライズでね』


「分かりました…少し時間を下さい」


『いい答えを期待してるよ』




いとも鮮やかな説明。

説得力のある言葉に、心が傾きかけた。

それでも、メンバーの顔がチラつく。

やっぱりまだ、水平の天秤の上にいるようだ。

・→←・



目次へ作品を作る
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
111人がお気に入り
設定タグ:乃木坂46 , AKB48 , アイドル
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年1月5日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。