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ずっとその状況を続けていたら、ママがあからさまに機嫌悪くなった。
これ以上は危険だと、自分で警鐘を鳴らす。
だから、すぐに笑顔になって言い切った。
「あ、でも私も、満足してるわけじゃないよ。
今回、私は福神だったんだけどね。
悔しいって思ってるし、ここで満足だなんて思ってない。
もっと頑張らなきゃって思ってる」
『うん、Aなら頑張れる。
だってさ、人気でいったら結構あるよ?
大丈夫だよ、次は必ずセンターのポジション貰えるよ』
「…うん」
『いつから制作は始まるの?』
「もうすぐ始まるみたいだけど…」
『それなら、スケジュール出たら頂戴ね。
ママ、1番良いコンディションになるようにしてあげるから。
子供のサポートするのも、親の役目なんだから』
「うん、ありがとうママ」
もう、アイドルに反対してたママはいない。
ちゃんと結果を出せば褒めてくれるし、応援してくれる。
だったら、もっともっと頑張りたい。
いい結果をたくさん出して、否定されないようになるんだから。
:
「ママ、最後に話ってなに…?」
『まぁ、とりあえず座って。
あなたが2列目のセンターだったことは分かった。
最後に一つ、肝心なこと聞くの忘れてたの。
結局、誰が選抜になったの?』
「詳しくは言えないけど、仲良くしてる子はほとんど選ばれたよ」
『橋本さんとか松村さんとか?』
「うん、あとは玲香とかいくちゃんも」
『あの…いつも良くしてくれる最年長の方は?』
「まいまいは…今回はダメだったの」
『そう…』
「でも、まいまいは大人だよ。
選ばれた子におめでとうって言ってた。
選ばれなくて泣いてた子のことも慰めてた。
自分より他人を気遣えるのが、すごい所だよね」
『最年長なんだから当たり前でしょ。
それで、仲良しの歳が近い子は?』
「みなみと飛鳥は選ばれたけど、ひなちまとまあやはダメだった」
『そう、まぁ半々ってとこね』
「まぁ、選抜メンバー自体が17人しか選ばれないからね…」
『最初が肝心なのよ』
「それも分かるけど、逆転も十分ある世界だからさ」
今日は、ママと2人で夜ご飯を食べることになった。
手料理を食べて、お風呂に入って、ママはもうすぐ帰るらしい。
でも、帰る前に話があるって言うからテーブルの前に座った。
ママは改めて、今日の発表について聞いてくる。
さっきよりも口調が険しい。
これは、あまり良くない話をする前ってことだ。
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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年1月5日 14時