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『レッスンお疲れ様』


「「お疲れ様です!!」」


『今日は皆さんに、お知らせがあって来ました』




レッスン終わり、今野さんが入って来た。

また、部屋の空気が固まった。

良い話か悪い話かも検討がつかない。

どうして今野さんって、いつも表情が読めないんだろう。

そう悪態をつきたくなるくらいには、心臓がバクバクと音を立てていた。

隣のまいやんの背が、スっと真っ直ぐになった。

私も倣って背筋を伸ばす。

今度は一体、何があるっていうんだろう…

自分のことじゃなければいいな、なんて保守的な考えが嫌だった。

グループの調和と自分の活躍のどっちを取るんだって、自分に突っ込んでみたりもする。

それでも結局、答えはグループの均衡を取る方を指している。

ママとの約束なんて、頭から抜け落ちていた。

これが私の弱さ。

つくづく、嫌気がさした。






『白石麻衣と白橋Aに関するお知らせです』






願っていた何かが崩れ去る音がした。

呼ばれたのは、私の名前。

まいやんと2人。

1人じゃないのが、せめてもの救いだった。

みんなの視線が、私たち2人に注がれた。

心臓がビクンと跳ねる音がした。

じっとりとした汗を感じながら、次の言葉を待った。




『2人が今度、雑誌のグラビアに出ることになった。

白石は少年誌の表紙に、白橋は巻頭グラビアに起用したいらしい。

お見立て会に来ていた先方から、直々にオファーが入った。

メジャーデビュー前のオファーは、かなり異例なんだ。

それだけ、乃木坂46が注目されているということの裏返しでもある。

2人にはぜひ、乃木坂の代表として頑張って来てほしいと思ってる。

みんなも、乃木坂の顔として頑張る2人に拍手をお願いします』




まさかのオファーだった。

私が、モデルに…?

混乱する頭を他所に、拍手の音は大きくなる。

代表とか顔とか、よく分からない。

ただ、この拍手に色んな思いが詰まってることは分かった。

それなら、ちゃんと応えたい。

そうして初めて、私の期待というのが、少し可視化出来る気がするから。




『白石、白橋、一言どうぞ』


白石「…びっくりしてるんですけど…とにかく頑張ります」


「私も…突然で驚いてます。

けど、頑張って来たいと思います…!」


『うん、頑張ってね』




混乱の中、頑張ると放った。

拍手の音は大きくなったのに、何故だろう。

そこに、一種の渇きを感じてしまうのは。

渇いた拍手だけが、やけに心に残っていた。

グループのために→←革命は既に始まっている



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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年1月5日 14時

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