革命は既に始まっている ページ1
あれから、2人が何か言ってくることはなかった。
私もそれ以上は何も言わずに立ち去った。
それから何にも話してないし、寮でも会ってない。
目が合うことはたまにあるけれど、どちらからともなく逸らしてしまう。
つまり、ずっと気まずいままだ。
だって、どちらも悪くはないはずだから。
謝ることもしないけど、近づくこともない。
どうにかしなきゃいけないってことは、もちろん分かってる。
集団生活だし、グループ活動だし、みんなの視線もあるし…
分かってる、分かってるけど…
私自身も、どうしたらいいのかが分からなかった。
白石「…まだ話せてないの？」
「うん…」
白石「そっかぁ…」
橋本「どっちも悪くないから難しいよね」
松村「あの状況なら、Aもああ言うしかなかったしね」
白石「うん、むしろよく嫌味なく素直に返せたなって感じだよ」
「そんなことないよ。
別に、何も言わないって選択肢もあったのに。
言うって道を選んだのは私だし。
何も言ってなかったら、関係は変わらなかったかもしれない。
我慢できなくて言っちゃったにしても、もっと言い方あったよ…」
白石「いやいや、怒ったわけじゃないんだし。
Aだって、名指しされたら動揺もするよ」
松村「まだまだこれからだよって、ほんまその通りやしね。
始まったばっかなんやし、一喜一憂するの早すぎやろ」
橋本「でもまぁ、2人の気持ちも分かるし…
出だしが肝心だからこそ、焦るんだろうね。
まあやは分からないけど、飛鳥は芸能活動してたって言ってたし。
少なくとも、私たちよりは芸能界のことを知ってるわけだから」
「どうしたら良かったんだろう…」
橋本「具体的に案出せなくて申し訳ないけど…
でもね、時間が解決してくれることもあるの。
解決せざるを得ない場面も、今後絶対に出てくる。
だから、今すぐどうこうって焦る必要はないよ」
白石「大丈夫、そのうち話せるようになるよ」
「うん…」
松村「A〜、スマイルスマイル！」
橋本「私の方からも、飛鳥には話聞いとくから」
「ありがと…」
白石「さ、レッスンの続き始まるから行くよ〜」
お姉さんメンバーも心配してくれている。
今の時期に、グループの輪を乱してちゃダメなのに…
でも、1人じゃどうしようもない。
飛鳥のことは、ななみんに任せてみよう。
2人が最近よく話してるとこ見るし、大丈夫なはず。
今はとにかく、目の前のレッスンに集中しなきゃ。
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2023年1月5日 14時
