陽を照らしてくれる存在 ページ36
松村side
寮暮らしが始まって、1ヶ月が経過した。
地方組もやっと寮に合流して、共同生活が始まった。
この頃はみんな慣れてきて、交流も活発になりつつある。
人見知りで根暗な私も、だいぶ話せる人が増えてきた。
特に、夜の共有スペースは貴重な交流の場。
レッスンではピリリとしてても、普段の生活は穏やかなのが、このグループの特性。
だから、私の性に合ってるんだろうなぁって思う。
「さゆりん、勉強教えてぇ」
松村「ん、いいよ」
「今ね、つるかめ算と旅人算の応用をやってるんだけど…」
松村「これ、難関私立中レベルの問題よな?」
「うん、まぁそうね…」
松村「そっか、受験するんか」
「それが、ママとの約束だから」
特に、この子との仲は親密になった。
もはや、私の妹のような存在。
初めて見た時は、漫画の中から出てきたのかと思った。
絵に描いたような美少女。
しかも、すごいのは容姿だけじゃない。
レッスンをすれば、歌もダンスも初心者とは思えないレベルに仕上げてくる。
そして、寮ではいつも勉強している。
お母さんとの約束だって言ってるけど、とても簡単なレベルの問題じゃないの解いてるし。
松村「すごいなぁ、Aは。
学校行って、レッスンして、勉強して。
どれもハイスペックにこなせるし」
「そんなことないよ」
松村「誰でも出来ることやないで」
「やるからには上を目指さなきゃいけないから」
松村「偉いけど、まだ始まったばかりやで?
慣れない環境で無理しちゃアカンで?」
「うん、ありがとう」
まだ、たったの10歳なのに。
年齢で決めつけちゃいけないけど、小学生はまだ子供。
始まって1ヶ月でこのギアだと、さすがに心配にもなる。
白石「あー、また勉強してるのー?」
「うん、まいやんもやる?」
白石「うわ、絶対無理」
松村「これは、中学受験の中でも難しい単元やからね笑」
白石「よくやるねぇ…笑」
「だってぇ、やらなきゃ出来るようにならないし。
算数は好きだけど、ここの部分は難しいから」
白石「算数好きなんだ…汗」
「さゆりんもだよね?」
松村「まぁ、私も好きな方ではあるかな」
白石「うわぁ、絶対分かり合えない笑」
まいやんもやって来て3人になる。
この時間が、私はすごく好きだったりする。
日陰にいた私を、日向に引っ張ってくれる存在。
それが、乃木坂46のメンバーだ。
みんなで暮らしてみて、その光の温かさを知った。
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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年1月1日 0時