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『はい、それではレッスンを始めます!

鏡を前にして、2列に並んでね』




自己紹介が終わると、空気が変わった。

これから始まるんだ。

ワクワクというような、ドキドキというような…

ピンと張り詰める空気が、私の神経を刺激した。

怖いとは思わなかった。




『まずは、ストレッチから始めます。

2人1組になってくださーい』


橋本「A、おいで」


「うん」


『じゃあまず、基本の伸びからやってくよー』


橋本「あ、体柔らかいんだよね笑」


「ななみんは?」


橋本「柔らかいと思う?」


「うーん笑」


橋本「お手柔らかにね笑」


「うん笑」




まずはストレッチ。

これは、劇団や新体操でもやってるやつ。

あんまり、ダンスのスキルとかは関係ない。

ななみんは、あまりの体の硬さに苦笑いしてたけど笑




『それでは次は、ダンスの基本のステップをやってきます』


橋本「リズム感もないんだよねー笑」


「私もダンスは初めてだよ」


橋本「けど、新体操やってたんでしょ?

ビートとかリズム感はありそうだけど」


「あー、なくはないかもね笑」


橋本「ほらー笑」




みっちりストレッチして、やっとダンスのステップに入った。

ここからが、本格的なレッスンって感じがする。

ダンスが得意な子の目が、本気モードになった。

私もついて行かなきゃ。

初日にして遅れを取るのは避けたい。




:




『桜井さん、川村さん、樋口さんいいね〜

肩の力の抜き方がいい感じ!』




中盤になると、褒められる子が出てきた。

誰の目からでも分かる。

この3人のスキルは、ずば抜けている。

全体がピリリとする感じがした。

無論、褒められた子達も浮かれてなんかない。

みんな、1秒1秒が必死なのだ。

多分、こういう世界なんだと思う。

私が足を踏み入れてしまったのは、きっとそう。




『2列目の人、自信ないの見えてるよ!

後列だからって気抜かない!

お客さんは、後ろまで見えてるんだからね』


「「はい!!」」


『じゃあ、今日やったことをおさらいして終わりにしましょう。

1列目の人はもちろん、2列目の人も自信もってね!』


「「はい!!」」




私は、1列目の端っこにいた。

だからって、2列目の人と大きく変わるわけじゃない。

むしろ、ずるい立ち位置にいる。

ママが見たら、絶対に怒るだろうな…

やるからには1番を目指すって言っちゃったんだから。

わがまま言って許してもらったんだから、せめて約束くらい守らないと…

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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年1月1日 0時

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