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言えなかった本音と覚悟 ページ28

「私は……乃木坂46になりたい。

ここで、アイドルとして頑張りたい。

本気で、乃木坂46として活動したいって思ってる」


『これで、妹をメンバーとして受け入れて下さいますか?』


『…私たちはもちろん、一緒に頑張って行こうと思います』


「よろしくお願いします」


『ちょっと待って下さい!

あんた、何言ってるのか分かってる?

ここで、Aの人生を変えるって言ってるんだよ?』


『分かってるよ』


『こんな不安定で危ない世界…

Aの人生がめちゃくちゃになっちゃうじゃない!

そんなことして…責任取れるの?』


「責任なら、自分で取る。

自分の人生の責任は、自分で取るよ」


『自分で取るって…まだ小学生なんだよ?

そんな大それたこと言って、分かってる?

最終的に、子供の責任は親が取るの。

少年犯罪の例を見れば分かるでしょ。

あれだって、結局は親なのよ?』


「それとこれとは話が違うよ。

私、ずっとやってみたかったの。

心のどこかで、アイドルに憧れてた。

AKBを応援してて、いいなって思う気持ちがあった。

今回、確かにお姉ちゃんに勧められた。

でも、決めたのは私だから。

私がやりたいって決めて、ここまで来た。

辞退することも出来たのにしなかったのは、やりたかったから」




真っ直ぐ、ママの目を見ることが出来た。

怖くないと言えば嘘になる。

いや、結構怖かった。

けど、ここで負けてちゃいけない。

そしたら私は、スタートラインにすら立てなくなる。




「黙ってオーディション受けてたことは、ごめんなさい。

でも、乃木坂になることは許して欲しい。

ちゃんと勉強もするし、ママの言うことも聞く。

受験も諦めないし、最後まで絶対に投げ出したりしない。

せっかく受かったチャンスだから、頑張りたいの」


『お嬢さんのことは、我々が責任を持ってお預かりします。

ですので、白橋Aさんをメンバーとして受け入れあげてくれませんか?』


『お母さん、私からもお願い』


『……ちゃんと勉強もするのよ、受験もね。

やるからには、絶対に上を目指すのよ。

必ずトップ取って、その才能とやらを見せてみなさい』


「うん、分かった」




とても大切な何かを失うかもしれない。

お城の主の目を見れば、それは薄々分かってはいた。

でも、当時の私にはその本当の意味が分かっていなかった。

目の前にある未来に、夢を馳せていたのだ。

新しい出会いが、胸の衝動を弾むものに変えてくれていた。

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設定タグ:乃木坂46 , AKB48 , アイドル
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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年1月1日 0時

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