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ページ18

『自己紹介をお願いします』


「神奈川県から来ました、白橋Aです。

小学1年生から習ってる、新体操をやります」




自信を持って、特技披露ができた。

他にもすごい子はいたし、個性的なことをやってる子もいた。

でも、私は私で準備してきたことをやれた。

だからもう、ここで落ちても悔いはない。






:






「橋本さん…!」


橋本「Aちゃん、お疲れ様。

すごいね、おめでとう!」


「橋本さんも、おめでとうございます!」


橋本「ありがとう」


「最終審査だなんて…どうしましょう汗」


橋本「明後日って言ってたよね。

まさか、ここまで来るなんてね…」


「お姉ちゃんに報告しなきゃ…」


橋本「お姉ちゃん、来てるの?」


「いや、家で待ってます。

今日は学校だったみたいで。

最終審査には、着いてきてくれるんですけど…」


橋本「お母さんは?」


「ママは……家にいます」


橋本「そっか」




こんな未来、誰が予想してただろうか?

4次審査まで通過するなんて、思いもしなかった。

嬉しさ半分、不安が半分だった。

嬉しいのは、橋本さんも一緒に合格したから。

2人揃って通過出来たことは、本当に嬉しい。

不安はもちろん、ママのこと。

もしこのまま、最終審査まで上手くいってしまったら…

思わず身震いしてしまう。




橋本「ドキドキしちゃうよね、最終審査なんて」


「はい…」


橋本「歌と面談って言ってたけどね」


「何聞かれるんでしょうか」


橋本「まぁ、受けた理由は絶対聞かれるだろうねぇ」


「受けた理由…」


橋本「Aちゃんは何で受けたの?」


「自由に……」


橋本「ん?」


「あ、いや…お姉ちゃんに勧められたので…」


橋本「そっか笑

確かに、Aちゃん可愛いもんね。

お姉ちゃんが勧めたくなる気持ち、分かるかも」


「そんなことないです…!

橋本さんは、どうして受けたんですか?」


橋本「私はねぇ…自分の可能性を確かめるため、かな?」


「かっこいい…」


橋本「そんなことないよ笑

もうこんな年だし、ラストチャンス的なね笑」


「いくつなんですか?」


橋本「今年19になる年だよ」


「え、全然若いのに…」


橋本「世間的には若いけど、アイドルになるにはギリギリだからね笑」




少し自虐的に笑う橋本さん。

その目は、ここじゃないどこかを見ていた。

あぁ、橋本さんの気持ち、少しだけ分かるかも。

何となくだけど、心の奥深くで繋がった気がして嬉しかった。

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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年1月1日 0時

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