お姉ちゃん側から思うこと ページ7
奈々未side
出勤前にAの様子を見ようと、病室にやって来た。
昨日は、病室で眠れたみたいだね。
小学生組の3人は検査らしくブーブー文句言ってたけど、渋々承諾した様子。
なんだかんだ、この病室の子達は頑張れる子だからね。
いつもなら、Aも説得に加わるんだけど今日は応答なし。
ベッドが山なりになってるから、まだ布団の中に潜ってるんだろうなぁ…
起きてるとは思うんだけど、やっぱりまだ体調悪いのかな？
病室で眠れたとは言っても、体調が良くなったって保証はないからねぇ…
奈々未「A、おはよ」
A「おはよ…」
奈々未「体調どう？」
A「うん、まぁ…」
沙友理「あれ、点滴してたの？」
A「してたぁ」
奈々未「何かあった？」
玲香「夜中に嘔吐いちゃったんだよね。
吐き気が強かったのと、栄養が摂れてなかったから…
陽菜先生が点滴してくれたの」
奈々未「そっか…まだ顔色良くないね」
沙友理「A、起きててしんどくない？」
A「だいじょぶ…
もう、クラクラはだいぶ収まったし。
目開けてても気持ち悪くないから」
玲香「そっかぁ汗」
奈々未「夜ご飯、食べれなかった？」
A「うん…」
沙友理「まぁ、昨日はちょっとしんどくなり過ぎちゃったからね」
ベッドサイドに近づくと、Aが青白い顔で横になってた。
腕にテープ付いてると思ったら、点滴してたみたいね。
食べるものないのに嘔吐いちゃうの、可哀想だな。
ただ体力消耗しちゃうだけだしね。
確かに昨日は、ゼリーしか食べてなかったなぁ。
夜ご飯は無理だろうって思ってたけど、やっぱり食べられなかったみたいだし。
入院した時より、明らかに細くなってるし…
仕方ないけど、痛々しい姿を見るのは胸が痛むね。
A「食べなきゃいけないっていうのは、分かってるんだけどね…」
玲香「そりゃあそうだけど、無理はダメだよ」
奈々未「点滴じゃ栄養にはならないけど、確かに食べて吐いちゃうなら今は食べろとは言えないからね」
沙友理「これなら食べられそうとかあったら、遠慮なく言ってや」
玲香「Aは、食事制限があるわけじゃないからね。
食べたいもの出てきたら教えてね」
A「うん、分かった」
本人も、食べられないことはかなり気にしてるらしい。
焦る気持ちも分かるけど、ここは辛抱だね。
美味しく食べられることが1番だから、そうじゃないうちは無理させられないし。
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2022年7月1日 18時
