支えたい、あなたを ページ34
大島side
カタカタとパソコンを打つ。
さっきのAの話を、そのまま文字起こししていた。
録音してたわけじゃないから、完璧な逐語録とは言えないけど。
要点は抑えてまとめてる感じだけど、なかなか統一性がある。
やっぱり、幼い頃から入退院を繰り返してる子の特徴が現れてるなぁ。
プラスして、その他の要因も絡んでそうだし。
まだ全部を聞けたわけじゃない。
多分、症状からしてもほんの一部に過ぎないんだと思う。
1個1個を解いて、完全に回復に向かうまでには相当な時間がかかる。
逆に、入院してる今気づけたことがわ不幸中の幸いだったのかもしれない。
こんなに抱え込むまで、頑張ってたんだなぁ…
無機質なキーボードの音が、余計を虚しさを感じさせた。
:
小嶋「優ちゃ〜ん」
大島「あれ、にゃんにゃん?
昨日も泊まりだったのに、連勤?」
小嶋「そうなの〜
今日が明けで、そのまま2連休なんだ」
大島「お疲れ様だねぇ」
小嶋「あと少しだから頑張るよ〜
あ、あとこれ、こないだ連絡貰った、思春期外来の資料。
ある程度揃ったから持って来たよ」
大島「ありがとう〜」
1人で作業してたら、にゃんにゃんが来た。
頼んでおいた資料を届けてくれたんだ。
にゃんにゃんは昔、思春期外来にいたことがあるからね。
役立つ情報を得られるんじゃないかって思ったんだ。
小嶋「…Aちゃんのことだよね?」
大島「そう…さっき話聞いたんだけどさ。
すごく辛そうだったし、多分まだあるんだよね。
学校の話だけでも、だいぶヘビーだったからなぁ。
私が聞けたのなんて、ほんの一部だろうし…
こんなに辛い思いしてたなんてね…」
小嶋「ご飯に関しては、ちょっと聞けたけど…
でも、逐語録には起こしてないやぁ。
食べることがストレスになってることは確かだけどね。
1回食べられなくなると、焦りや不安で余計に食べられなくなるって言うからね」
大島「諸に症状出てるねぇ」
小嶋「逐語録やるの?」
大島「それは、ご飯の時間にやろうかなって思ってる。
食べ物を前にした方が、より本音を聞けるからさ」
小嶋「その方がいいね」
大島「それによっては、ご飯の注文の仕方を変えられるしね」
小嶋「少しでも、口から固形物を摂取してくれるといいんだけど…」
今のAは、ほとんど食べられてないからね。
食べられないから体調悪いっていう、負のループに陥ってる。
でも、強制するのは良くないしなぁ…
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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2022年7月1日 18時