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大島「Aは、桃子の言葉を聞いてどう思ったのかな?」


A「ごめんねって思った。

悪いのは私だから…桃子は悪くない。

今まで気づかなくてごめんねって。

私のせいで桃子はずっと我慢してたし、辛い思いをしてたわけだから…」


大島「自分のせいだって思ったんだね」


A「私はいつも、誰かの大切な人を取っちゃうの…

みんなにとって大切な人を、独り占めしちゃうの。

麻衣ちゃんもそう、小学校の時の保健の先生もそう。

美月もかっきーも、もしかしたら優子先生も…

誰かのことを悲しませてるかもしれない。

我慢させたり、嫌な思いをさせてるかもしれない。

全部、私が弱いから。

体が弱くて、いっぱい迷惑かけちゃうから。

だから、私が嫌われるのはしょうがない。

無意識に人のこと傷つけてるんだもん、嫌われて当然だよ」


大島「そんな風に思ってるんだね。

自分にそう言い聞かせるのは、Aも辛かったね」




誰かに何か言われる度、自分にそう言い聞かせてきた。

私のせい、私が悪い。

私は嫌われても仕方ないって。

誰にも言えなかった。

言ったら絶対に心配かけちゃう。

そんなことないよって言われて、違うって被りを振る。

きっと、誰も私のこの気持ちを分かってくれない。

Aのせいじゃないって守ってくれるけど、私はそれでは救われない。

これ以上、私は守られてちゃいけないんだ。

もっと打たれて、もっと強くならないと。

体が弱いのはどうしようもないけれど、心は強くなれるから。

そうすれば、もっと認めてもらえるはずだから。

それに、それでまた私に構ったら、もっと嫌われる。

悲劇のヒロインって言われる。

嫌だ、それは絶対に嫌だ。

自分のためにも、それは避けたかった。

そんなことを思ってる自分は、まだまだ弱いのだけれど。

でも、自分のためでもいいから守りたかった。

私の心が本当に壊れてしまう前に、自分で守りたかった。




大島「しんどかったね、A」


A「えっ…」


大島「本当は辛いもんね、自分が悪いって思うの。

だって、体が弱いのはAのせいじゃないし。

もちろん、仮病なんて使ってない。

けど、そうじゃないと自分が可哀想だから。

自分が傷つくのを避けるために、自分を守ってたんだもん。

1人でやるのは、すごくしんどかったはずだよ」


A「優子先生…」




優子先生は、私の本当の気持ちを見透かしていた。

そして、私の1番欲しかった言葉をくれるんだ。

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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2022年7月1日 18時

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