微睡みに想いを溶かして ページ30
A「…ゆーこせんせ」
大島「あ、Aいらっしゃい」
A「今、大丈夫？」
大島「私は全然大丈夫だよ。
Aは平気？眠かったり、体調悪かったりしない？」
A「うん、へーき」
大島「そっか、じゃあ座って？」
A「うん」
大島「緊張してる？」
A「うん、してる…」
大島「そーんな緊張しなくても大丈夫よ〜笑
いつも通り話してる感じで平気だから！」
A「えぇ〜」
大島「一旦、深呼吸してみ？」
A「ｽｩ-……ﾊｧ…」
大島「どう？ちょっと落ち着いた？」
A「うん…笑」
大島「カウンセリングって言っても、いつも通りに話してくれればいいから。
私もなるべく、いつも通りを心がけて聞く。
だから、リラックスして話せることを話せるとこまで話してね」
A「分かった…」
みんなが寝てすぐ、ナースステーションにやってきた。
理由はもちろん、優子先生とお話するため。
無理そうならいいよって言われてたけど、どうせ眠れないからね。
私も、気になることたくさんあるし。
自分が自分じゃないみたいで怖いって気持ちもある。
優子先生に話すことで、少し気持ちの整理がつきそうな気がするしね。
ちょっと緊張しながら、優子先生と向かい合う。
私が深呼吸したのを見届けて、優子先生はゆっくり口を開いた。
チラッと目が合った優子先生は、完全にお医者さんの目をしていた。
大島「じゃあまず、Aが昨日、私に話そうとしてたことを教えてくれる？」
A「うん…昨日さ…
私、お昼に過呼吸起こしちゃったでしょ？
その原因、誰にも言ってなかったんだけど…優子先生には言うね。
あれね、麻衣ちゃんと桃子の会話を聞いたからなの。
別に、本当にたまたま、私が聞いちゃっただけなんだけど。
桃子、私のこと嫌いってハッキリ言ってた。
麻衣ちゃんも、桃子のことが1番好きって…
会話の流れで、そう言わざるを得なかったのは分かってる。
桃子が麻衣ちゃんに、妹3人の中で誰が1番好き？って聞いてて、最初は麻衣ちゃんもみんな好きって言ってたの。
けど、桃子が泣き出しそうになっちゃったから、咄嗟に言ったってことは分かってる。
でも…嫌いって言葉は堪えた…」
今まで、同級生からヒソヒソと悪口は言われてきた。
でも、直接嫌いと伝えられたことはなかった。
ましてや、桃子になんて絶対ない。
だからこそ、心を切り裂かれたようなショックを受けてしまったんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 167人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しろりんご。
| 作成日時：2022年7月1日 18時
