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でも、もう1人心配すべき人はいる。
もちろん、Aのことを忘れたなんて有り得ない。
桃子と一緒にいても、Aがどうしてるかはずっと気がかりだったから。
今なら桃子もいないし、Aの話題を出しても大丈夫だよね。
麻衣「…ねぇ、Aどう?」
奈々未「あぁ…あんまり良くないみたい。
喘息の方は、今日は1回発作起きちゃったらしい。
中発作で、ネブライザーしたら良くなったって。
でもそれ以上に、精神的な面で良くないみたい…」
沙友理「そっちが、体にかなり影響受けてるみたいで」
麻衣「食欲は?」
沙友理「ほぼないって。
今朝も栄養剤を入れて、様子見てるらしいよ。
ちょっとずつ食べられてはいるんだけど、満足な量からは程遠いかな。
だからやっぱり、1週間で結構痩せちゃったね…」
麻衣「そっか…」
奈々未「あとは、ちょっと強迫症の症状が出てるみたい。
うがいしたり、氷食べたり、ご飯や水を受け付けなかったり…
貧血もあるけど、自律神経の乱れが原因だって言ってたよ」
沙友理「あと、パニックも起こしやすいみたいで。
今日、ジアゼパム入れたんだって…」
麻衣「え!?」
奈々未「理由は、心因性の問題が絡み合ってることみたい。
詳しくは、優子先生もまだ話を聞けてないって。
今、カウンセリングのアプローチ方法を模索してるとこだって」
麻衣「そんなに酷くなってたのか…」
奈々未「ジアゼパムは驚いた…」
沙友理「でも、まいやんのせいやないで?
Aも、自分が自分じゃないみたいだって戸惑ってるっぽかったし…
でも、優子先生には頼ってるし、お話出来てるみたい。
だから今は、優子先生に任せてみよ?」
麻衣「うん…」
奈々未「とりあえず今は、Aと桃子は会わせない方がいいかもね。
まいやんは医者として、Aと普通に関わるのがベストだと思うよ。
その方がAも気を遣わないし、桃子との関係も良好を保てるからね」
麻衣「がんばる…」
沙友理「そんな不安気な顔しなくても大丈夫ー!」
奈々未「うん、私たちが着いてるからね」
麻衣「ありがとう」
Aの様子を聞いたら、衝撃的な話が続々と…
思ったより心因性の症状が強く出てるみたい。
ジアゼパムを入れたってことには、かなり驚いた。
ここ数日で、本当に一気に酷くなってることを実感する。
心配で堪らないけど、2人が言うようにここは冷静に。
今は医者として、出来る限りのことをしてあげよう。
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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2022年7月1日 18時