・ ページ12
Aちゃん、呼吸は落ち着いて来たんだけど、まだしゃくり上げてる。
背中を摩っていると、ポツリと呟き声が聞こえた。
私はダメな子って…どうしたんだろ。
理由を聞いたら泣き出しちゃったから、もう少し待とうかな。
話したいけど、言葉がつっかえてるって感じなんだろうしね。
指原「もしかして…学校のことかな?」
A「…ヒック」
指原「学校のお友達に何か言われたり、されたりしたのかな?」
A「…ヒックヒック」
指原「お話したくなかったら、無理に話さなくてもいいよ?
ただね、さしこちゃんも学校行くのが嫌な時あって。
行けなかった時代があったんだよね。
Aちゃんの不安が学校にあるなら、分かってあげられることもあると思うから。
もし良かったら、気持ち吐き出してみてね。
どんなことでもちゃんと受け止めるからさ」
A「さしこちゃん…ヒック」
指原「うん、どした?」
A「…みんなこわいヒック」
指原「みんな怖いの?」
A「どう見られてるか分かんない…っ
みんな、私のこと嫌いなの…ヒック
仮病とかズル休みとか、構ってちゃんとか…っ
そんなに体が弱いなら学校来なきゃいいのにって…ヒックヒック
わざわざ来るってことは、悲劇のヒロインになりたいだけだって…ヒックヒック」
指原「そうやって言われちゃったの?」
A「6年生の時…ヒック
でも、中学校もその子と同じだから…ヒック
入院したら、同じこと言われる…っ
今度は、違う中学校の子にも言われちゃう…ヒック
みんなに悪口言われちゃう…ヒックヒック
私、わたしっ…ほんとは学校怖いっ…ヒックヒック
学校行きたいって言ってたのは、嫌われたくないから…ヒック
でももう、みんな私のこと嫌いになってる…ヒックヒック
これだけ学校休んでたら、絶対言われてるもん…ヒックヒック」
指原「Aちゃん…」
前田「辛い思いしてたんだね…
ずっと気づいてあげられなくてごめんね」
A「こわい…ヒック」
指原「怖いよね、辛かったよね」
A「ひとりこわい…ヒックヒック」
さっしーの話に触発されて、Aちゃんが少しずつ学校であったことを話してくれた。
こんなことが学校であったなんて、小さい頃から見てるけど全然知らなかった。
Aちゃんにとって、同世代と関わることがストレスになりつつあるのかな。
でも、病室の子はいい子だし、声を上げる機会が分からなくて混乱してるのかも…
167人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しろりんご。 | 作成日時:2022年7月1日 18時