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沙友理「お昼に起こした過呼吸っていうのは…」
奈々未「それも桃子が原因なの？」
麻衣「それは、私も詳しくは分からないの。
Aも、優子先生に話してないみたい。
でも多分、私と桃子の会話を聞いちゃったんじゃないかな」
沙友理「会話？」
奈々未「どんな？」
麻衣「桃子がさ、妹3人の中で誰が好き？って聞いてきて。
みんな好きって言ってたんだけど、桃子が泣き出しそうになっちゃって。
せっかく泣き止んだのに、また不安定になって泣き出したら大変だって思って。
咄嗟に、桃子が1番って言っちゃったの。
それに桃子も、Aのこと嫌いって言葉にしてた。
Aのことは好きだけど嫌いって。
今までそんなこと、1度も言ったことなかったのに。
私も驚いたけど、Aがもし、聞いてたとしたら…」
奈々未「過呼吸を起こす理由は十分だね…」
麻衣「うん…」
沙友理「夕方のパニックは？」
麻衣「それは、桃子がAに直接攻撃しちゃったの。
溜め込んでた嫌いって感情をそのままぶつけちゃって。
A、ごめんねって言ってた。
何度も何度も、桃子にごめんねって叫んでて。
多分ずっと、自分のせいで…って思ってたんだよね。
自分のせいで桃子に寂しい思いをさせてるって罪悪感が、Aの中にあったんだと思う。
それを桃子に目の前で言われて、しんどくなっちゃったんだと思う」
奈々未「タイミングが悪かったね…」
沙友理「しんどいなぁ…」
麻衣「私も、そこで冷静になれなくなっちゃって。
桃子のこと怒っちゃったから、それで桃子が大泣きしちゃって…
触発されて、Aも余計にパニックになっちゃったんだよね」
沙友理「いやぁ、それは怒っちゃうよ。
桃子が悪いわけじゃないけど、その場にいたら私も桃子を叱る。
Aもそりゃあ、ごめんねって思っちゃうよね」
奈々未「誰が悪いってわけでもないからなぁ…
桃子もAもまいやんも、みんな悪くないから難しいね」
麻衣「うん…」
沙友理「桃子にどうやって、折り合いをつけて説明するかやな」
奈々未「Aには、本格的なカウンセリングが必要かもね」
麻衣「うん…それは優子先生がやってくれるって」
奈々未「それがいいと思う。
Aのこと、1番分かってくれてるしね」
Aと桃子、仲良し姉妹なんだけどね。
今は複雑に気持ちが絡み合ってるから、解決に持ってくのが難しそう…
どうすれば、みんなにとって良い方向に進むかな…
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2022年7月1日 18時
