断腸の思い ページ42
配信ドラマが終わって、各々自由なことをしだした。
飛鳥は読書、由依ちゃんは勉強、麻友ちゃんはお絵描きしてる。
相変わらず小学生組は寝てるし、私は何もすることないからボーッとしてる。
それにしても、今日は天気がいいなぁ…
麻衣「A〜、いる〜?」
飛鳥「あ、麻衣ちゃん。
Aなら、由依ちゃんのベッドの中だよ」
麻衣「ありがとう飛鳥」
A「麻衣ちゃん来たぁ」
麻衣「由依ちゃんありがとね、狭かったでしょ?」
横山「A細いから、全然平気やで笑」
麻衣「ありがとね〜
ちょっとだけ、Aのこと借りるね」
横山「はーい」
A「どこ行くのぉ?」
麻衣「ナースステーションだよ」
A「入っていいの?」
麻衣「カンファレンス終わったからいいよ〜」
A「ふーん」
ボーッとしてたら、いきなり麻衣ちゃんが入って来た。
もう、ナースステーションに入っていいらしい。
素直にベッドから出て、麻衣ちゃんについて行った。
1歩前を歩く麻衣ちゃんの手を握ったら、いつもより少し強く握り返してくれた。
:
麻衣「よし、じゃあ座って?」
A「うん」
麻衣「…さっきの検査結果が出たから、お話してもいいかな?」
A「うん…」
麻衣「あのね…」
A「うん」
麻衣「あの……やっぱり、入院…しようかなって…
その、めちゃくちゃ数値が悪いとかじゃないんだけど。
春先だし、夜中の発作も多いから、近くで見てた方が安心かなって。
だから、そんな構えなくていいっていうか。
心配しなくても大丈夫っていうか…」
A「…そっか」
麻衣「え…」
A「自分でも分かってたし、覚悟して来たから大丈夫だよ。
入院になるだろうなって、先週くらいから感じてたから。
私なら大丈夫だから、そんな顔しないでよ。
沙友理ちゃんに、荷物持ってきてもらうんでしょ?
私から連絡して、注文してもいい?」
麻衣「え……あ、うん…」
A「じゃあ電話するから、スマホ貸して」
麻衣「う、うん…」
A「ちょっと、ボーッとしないでよ笑
早くしないと、沙友理ちゃんお家出ちゃうよ」
麻衣「うん…」
今回、入院になることは分かってた。
この病気と付き合って長いから、大体のことは分かってるつもり。
覚悟を決めて来たし、そんなに心配しないでほしい…
今の麻衣ちゃん、泣きそうな顔してるからちょっと心配…
別に、麻衣ちゃんのせいじゃないのになぁ…
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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2022年5月8日 22時