勇気の決断 ページ40
麻衣side
麻衣「これが、Aの検査結果なんですけど…」
大島「うわぁ……思ったより酷いね汗」
麻衣「ピークフローが、思ったより低くて…」
玲香「これ、中程度と重症の間くらいだよね？」
麻衣「うん、ギリギリ中程度ってとこかな」
日奈「中程度だけど、血液検査の結果次第では重症にもなりかねない数値だね…」
麻衣「そうなんだよね…」
大島「Aの場合、体型が華奢なこともあって、気管支もまだ発達してないからね。
小児喘息の中だったら、これはかなり重症っていう分類になると思う」
小嶋「アレルギー検査はどう？」
麻衣「やっぱり、ハウスダストと植物系に強く反応出てます…
あとは、猫と蕎麦とちょっとサバにも反応してますかね。
アレルギー検査が前回よりかなり悪いので、やっぱり悪化してるんでしょうね…」
大島「アレルギー性のものもあるだろうけど、やっぱり先天性の要素が強いかな」
麻衣「ピークフローの割に、アレルギーの反応品目は多くないですからね」
大島「先天性の喘息に、季節的なアレルギーも持ってるって感じかな」
麻衣「恐らく…」
小嶋「今、発作の頻度はどれくらいなの？」
麻衣「だいたい1日に4回くらいです。
何も無くても起きちゃうし、夜中はほぼ確実で…」
大島「吸入薬はどんな感じ？」
麻衣「2週間前に処方したのが、昨日でなくなっちゃいました。
最近は、吸入で収まらない発作の方が多くなっていて…
3日続けて、夜中に発作が起きちゃってるんです。
そのせいで睡眠にも影響を及ぼしてるし、食欲も落ちてきてるんですよね…」
大島「…そろそろ限界かなぁ」
小嶋「心苦しいけど、入院せざるを得ないかな…」
麻衣「私もそう思います」
大島「Aには、本当に申し訳ないけどね。
でもやっぱり、ちょっと家でコントロールするのは限界だと思う」
日奈「毎日、発作起こしてるAを見てるのは正直辛いもん」
玲香「Aがゆっくり休むためにも、私も入院した方がいいと思う」
麻衣「そうだね」
ただ今、ナースステーションでカンファレンス中。
Aの検査結果を見ながら、今後のことを話し合ってます。
覚悟はしてたけど、想像以上に検査結果が悪かった。
入院は免れられないっていうのが、ここにいるみんなの総意。
私ももちろん、入院してもらった方が安心って感じ。
だから、この決定に対して異論はない。
ただ、姉として言うなら、とっても辛い決断だけどね…
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2022年5月8日 22時
