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大島「お、聴診頑張れてるね〜」
麻衣「優子先生、ありがとうございます」
大島「いいえ〜」
麻衣「はい、聴診終わりだよ〜
次は、優子先生の前に座ってね」
A「うん…」
大島「大丈夫だよ〜、怖くないからね。
これを加えて、フーっと息吐いてね。
ゆっくり吸ってから、全部の息吐き出してね〜
無理しなくていいから、苦しくなる前にやめてね」
A「わかった…」
麻衣「大丈夫、麻衣ちゃん横で手繋いでるからね。
肩の力を抜くと、あんまり苦しく感じなくなるよ〜」
大人しくその先の検査も受けてくれるA、本当に頑張ってるなぁ…
嫌がってたピークフローも、優子先生のサポートのおかげでクリア。
残すは、アレルギー検査のみ。
さぁAちゃん、ちょっとだから採血頑張ろう！
麻衣「A〜、これで最後だよ〜」
A「うぅ…いやぁ……ﾋｯｸ」
大島「あぁ、泣かないよ〜」
A「やだ…ﾋｯｸ」
麻衣「Aちゃんが頑張ってくれたら、一瞬で終わるからね〜」
A「むりぃ…ﾋｯｸﾋｯｸ」
大島「一瞬だけだから大丈夫だよ〜
力抜いてたら痛くないから…ね？」
麻衣「うん、だらーんとしてくれれば大丈夫！」
A「やだぁ！…ﾋｯｸ」
大島「あんまり泣くと苦しくなっちゃうよ〜？」
麻衣「Aちゃん、ちょっとだけごめんねぇ」
採血ってなったら、見事に泣き出しちゃった。
注射は、元々1番嫌いだもんね。
優しく声掛けしても、なかなか首を縦に振ってくれない。
泣いてて呼吸が早くなってるから、気になって聴診器を滑らせた。
麻衣「う〜ん…」
大島「どう？」
麻衣「ちょっと頻脈気味ですね…」
大島「一旦、落ち着くまで待とっか」
麻衣「ですね汗」
大島「A、ゆっくりスーハーしてごらん？
ちょーっとだけ、呼吸が早くなっちゃってるから」
A「うぅ…ﾋｯｸﾋｯｸ」
麻衣「大丈夫よぉ、スーハーするだけだから怖くないよ〜」
ですよね、そう簡単にはやらせてくれませんよね。
Aは、注射の針が自分に向かって来る感覚が苦手らしい。
先端恐怖症までは行かないけど、針を見ると体が固まっちゃうんだよね。
だから、体に力が入って痛く感じちゃうっていう負の連鎖…
こればっかりは仕方ないけど、まずは頻脈をどうにかしないとね。
採血だけは格闘するって踏んでたからね、存分に闘いますか。
優子先生も私の隣に腰を下ろして、説得する気満々だし…笑
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2022年5月8日 22時
