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大丈夫、頑張れる ページ30

麻衣side


Aの話を聞いて、心が痛んだ。

私が思ってるより、Aは自分の病気のことを重たく考えてるんだ。

得体の知れない恐怖や、もどかしさや焦りを日々感じているんだと知った。

でも、ここで私が怯むわけにはいかない。

だって私は医者だから、Aの主治医だから。

Aが元気になるまで、何があっても手を離さないんだから。

そう決めて、今日ここに来たんだから。

もう絶対に逃げたりなんかしない。




麻衣「Aの気持ちはよく分かったよ。

お話してくれてありがとうね。

Aの怖いことが分かったから、麻衣ちゃんも怖くしないように気をつけるね。

血の検査は、痛くしないようにすーぐ見つけて終わらせるね。

わざと発作起こす検査は今日はしないけど、やる時はお話しながら様子見てやるね。

フーってする検査は、リラックスできるように声をかけながらやってこっか」


A「うん…」


麻衣「そしてもちろん、結果がなるべく良くなるように、精一杯頑張る。

でもね、麻衣ちゃんだけが頑張ってもダメなんだぁ…

Aにも一緒に頑張ってもらわないと、病気は良くならないの。

どうかな、麻衣ちゃんと一緒に頑張ってくれないかな?」


A「良くなるぅ…?」


麻衣「うん、絶対に良くなるよ。

みんなで頑張れば、絶対に治るからね。

そのために、私も優子先生もいるんだもん。

何かあったら、お話したり頼ったりして欲しいな。

私たち、絶対に全部受け止めるって約束するからさ」


A「じゃあ……がんばる」


麻衣「ありがとう、A」


大島「偉いぞ〜!」


麻衣「じゃあ今日は、まず聴診からやってくからね〜」


大島「私、ピークフローの準備してくるね」


麻衣「お願いします!」




ナイーブになってるAへの説明は、言葉選びが慎重になる。

でも、丁寧に説明したら分かってくれたみたい。

頑張るって言ってくれたから、一緒に前進してこうね。

そして、気が変わらないうちに早速検査します!




麻衣「じゃあAちゃん、お椅子に座ってお洋服捲ってくれる?」


A「うん…」


麻衣「そのままゆっくりスーハーしてね〜」


A「……スー…ハー」


麻衣「うん、上手だよ〜」




やっと、聴診に進むことができた。

泣かずに頑張れてて、私の方が感動するよ…

Aは、自分が頑張るって決めたら、ちゃんと最後まで頑張れる子だからね。

だから私も、そんなAの気持ちに答えてあげたいんだ。

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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2022年5月8日 22時

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