・ ページ26
2人になってさっきの会話を思い出すけど、地味に沙友理ちゃんは怒らない？って言ったよね…笑
遠回しに、麻衣ちゃんは怒ってるって言ってるようなもん。
チクチク攻撃するの、上手くなったなぁ…笑
もう、涙止まってるし。
最近、どんどんお芝居が上手になってる気がする。
特に、あざとさ全開のお芝居をやらせたら、女優にもなれるくらいだよ笑
まぁもちろん私は、Aを怒ることは無理なんでね。
てか、可愛い妹のこと怒るなんて絶対できない！
注意くらいはするけど、怒ることは一生出来ないだろうね。
だから、ちゃんと愛を持って叱れるまいやんは本当にすごいと思う。
:
A「…麻衣ちゃん、祐希に嘘ついた」
沙友理「え？」
A「祐希がいい子にしてれば、私が帰って来るって。
私、暫く帰って来れないもん…
そしたら祐希が悪い子みたいになっちゃうよ」
沙友理「A…汗」
A「麻衣ちゃんずるいよ…」
沙友理「じゃあ、もしAが入院になっちゃったとして…
祐希には、沙友理ちゃんがちゃんと責任持って伝えとく。
祐希が悪い子なんじゃなくて、祐希が強い子だからだよって。
Aちゃんがいなくても、祐希は頑張れるからだって。
Aちゃんも病院で頑張ってるから、祐希もお家で頑張ろうねって。
Aちゃんと祐希、どっちも一緒に頑張ろうねって。
だから、まいやんのこと、許してあげて？」
A「……分かったﾋｯｸ」
沙友理「大丈夫だよぉ、Aは大丈夫」
A「こわい…ﾋｯｸﾋｯｸ」
沙友理「そうだよね、怖いよね。
でも、絶対に沙友理ちゃん達は手を離さないから。
みんなで真剣に、AとAの病気に向き合うよ。
だから、一緒に頑張ってくれないかなぁ」
A「うぅ…(ｺｸﾝ)ﾋｯｸ」
沙友理「うん、やっぱりAは強い子だね。
…よし、香水付けてあげるからもう泣かないよ？」
A「ん…ｯｸ」
沙友理「沙友理ちゃんとは、またすぐ会えるしな笑」
A「待ってるからね…ｯｸ」
沙友理「うん♪」
洗面所で2人きりになり、Aの気持ちを聞いた。
涙と反発の理由は、まいやんが祐希に対してした発言にもあったんだね。
すごく敏感になってるから、言葉選びには気をつけないとね…
泣き止んだAに香水を付けて、玄関までお見送り。
みんなに見送られて、ちょっとだけ笑ってくれたA。
なんとも言えないこの切なさは、何度経験しても慣れないね…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 84人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しろりんご。
| 作成日時：2022年5月8日 22時
