やっぱり… ページ21
真佑「祐希と桃子、寝ちゃったね笑」
A「ね、早かったね笑」
真佑「でも、Aも眠そう笑」
A「ちょっと眠いかも…」
真佑「目がトローンってしてるもん」
A「ほんと?」
真佑「うん、だからそろそろ寝よっか」
A「わかった」
真佑「あ、寝る前にもう一度言うからね?
夜中に苦しくなったら絶対に私のことを起こすこと。
遠慮せずに、すぐ声かけるんだからね?いいね?」
A「うん…」
真佑「よし、分かったなら私たちも寝よう!」
A「うん、おやすみ〜」
真佑「おやすみ〜」
上に上がってから、少し4人でお喋りしてたんだけど…
祐希と桃子は、割と序盤で眠りに落ちた。
それからしばらく2人で話してたけど、私ももう限界。
真佑ちゃんと1つ約束をして、今日はお開きになった。
:
A「…ケホケホ」
夜もだいぶ更けてきた頃。
自分の中で、何となく発作が起きそうっていう感覚があった。
調子が悪い時は、だいたいこれくらいの時間に苦しくなるからね。
だいたい、自分でも来そうっていうのは分かるんだ。
やっぱり私、悪化しちゃってるんだなぁって実感する…
A「ゲホゲホ……ゲッホゴホゴホッ」
本格的に咳が出始めたから、急いで吸入器を手に取る。
経験上、これだけ悪化してると吸入じゃ収まらないけどね。
最近起きてる発作が大きいことも分かってるし、多分無理だとは思う。
でも、万が一ってこともあるから。
どうにかして、吸入だけで収まることに賭けたい。
今日発作起こしたら、多分入院の確率は100%になる。
それを、自分自身で認めたくなかった。
まだ大丈夫かもしれないっていう僅かな希望を、自分に持ちたかったんだ。
それに、みんなスヤスヤ寝てるし、起こすのは申し訳ない…
:
A「ゲッホゴホゴホッ……ヒューヒュー」
3回ほど吸入したけど、全然良くならない…
もう、吸入薬のメーターがゼロになっちゃったよ。
これ以上吸入できないのに、全然収まらない咳。
最後の方には、うっすら喘鳴も聞こえた気がする。
本気で苦しいし、どうしよう…
真佑ちゃん、何かあったら絶対に起こしてって言ってたけど、絶対疲れてるよね。
それに、電気をつけたらちびっ子達も起きちゃうかもだし…
起こしたいけど、最後の1歩の勇気が出ずにいた。
そうしてる間にも、時間はどんどん進んでいくし、私の体調もだんだんと悪化してくのに…
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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2022年5月8日 22時