泣いて笑って、それでも私は坂を上る⊿ 57 (ページ24)

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本章ページ24

『もし君がいなければ』

(白石Aソロ)

【衛藤美彩×白石A】

年の差は8つあるけれど、二人三脚だった。

苦しい時代を共にしてきたから、お互いのことはよく理解してる。

同じ理由で、お互いが夢を諦めようとした。

その時、必然のように導かれてかけた言葉。

＿待ってるから

どこで、とは言わなかった。

言わなくても分かっていたから。

投げ出してしまいそうな時、いつも美彩の顔が頭に浮かんで。

負けちゃいけない、待っててくれてるんだからって。

そうやって、自分を奮い立たせてきた。

だから、今日この景色が見れたんだ。

:

『13日の金曜日』

(42ndアンダーメンバー / C:白石A)

【斉藤優里×白石A】

斉藤優里は、笑顔を届けるエンターテイナー。

彼女を見ていると、眩しいなぁと感じる。

意図せずとも、自分の輝きを最大限に放てる。

そして、その輝きを他者に与えることもできる。

以前、反抗期だった私にゆったんが何気なくかけた一言。

＿笑ってた方が楽しいよ

本当に会話の中で、さりげなく言われた言葉。

私の感情に与える影響など、当時のゆったんは考えていなかっただろう。

でも、ハッとさせられた。

私の仕事はアイドル。

人に笑顔を届けることが仕事。

斉藤優里は、全身全霊でお仕事をする人だった。

:

『時々思い出してください』

(白石Aソロ)

【桜井玲香×白石A】

玲香と、今の関係ができた日。

それはうんと昔、ガールズルールの制作期間のこと。

一緒に、ヒット祈願でバンジージャンプを飛んだね。

あの時の私は、本当に自分のことでいっぱいいっぱいで。

バンジージャンプに立候補したのも、爪痕を残したかったから。

でも、玲香は投票で不本意ながら飛ぶことになってしまって。

それなのに、グループのことを思って飛んだ。

上で見ていた私は、圧倒されて何も言えなかった。

自己中心的な考えだった、幼稚な自分を反省した。

＿玲香の背中、追いかける

私があの日の帰り、マネージャーさんに誓ったこと。

それは、桜井玲香のような人間になること。

自分じゃない誰かのために頑張れる人になること。

決して、みんなができることじゃない。

玲香がキャプテンになった理由を、改めて実感した日。

この人にずっとついて行こうと決めた。

全く同じには出来なかったけれど、グループのために頑張ることはできた。

私、少しは玲香の背中を捉えられたかな。