泣いて笑って、それでも私は坂を上る⊿ 54 (ページ31)

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大園「2018年、真夏の全国ツアー。

この公演で、私は飛鳥さんと2人、この曲を歌いました。

乃木坂に入って2回目の夏。

周りのみんながどんどん成長して、お仕事をして結果を残して。

グループに貢献している姿を見て、焦りや戸惑いを感じていました。

自分は本当に、乃木坂になれているのか。

いや、なれてないな。

そんな自分への問いを繰り返しては、自分を否定して。

乃木坂でいることに、大きな不安を感じ始めていた時期。

この曲を毎日聴いて、少しでも答えを導き出そうとしていました。

そんな桃子に寄り添ってくれたのが、飛鳥さんでした。

飛鳥さんのやさしさを受け取り、この曲を歌いたいと思いました。

今日も2人で歌うので聴いて下さい、やさしさとは」

:

『やさしさとは』

(齋藤飛鳥・大園桃子)

(概要)

2018年のジコチュープロデュースを覚えていますか？

その中で桃子がプロデュースしたのが、飛鳥と2人のやさしさとは。

どうしてこの曲を選んだのか。

そして、飛鳥と2人を選択したのか。

当時は分かりませんでした。

でも、その年の年末。

レコード大賞での2人のやり取りを、少し離れた場所から見てました。

そういうことだったのか、と全てが繋がりました。

桃子の敏感な心に、誰よりも早く寄り添った飛鳥。

それが飛鳥なりの、やさしさとはという問いの答えだったのだと。

やさしさとは何なんだろう

君に駆け寄る早さか

それとも落ちた涙を一緒に拾うことか

飛鳥のやさしさを抱きしめた桃子

それが、桃子にとっての正解だったのだ

飛鳥と桃子の2人に流れる空気は

それが正解だったのだと

だいぶ経ってから分かりました

:

飛鳥「桃子、卒業おめでとう。

私は他の人より、ほんの少しだけ桃子との距離が近くて。

だから、人より少し多く、桃子の色んな表情を見てきました。

それだからこそ、桃子がここにいるのが正解なのかなって思ってしまう自分がいて…

桃子が、乃木坂も悪くないなって言ってくれた時…

ちょっと間違えば、上から目線とも取れる言葉を吐き出した時。

私は嬉しさより、自分の不甲斐なさを痛感しました。

もっと早くこう思わせてあげられれば、乃木坂っていいなって思ってもらえれば…って。

力不足な先輩でごめんね…

でも、今日こうして卒業を迎える桃子は、すごく晴れやかで。

前向きな気持ちだっていうのが伝わって、安心しています。

だから、最後に一言だけ言うね。

…桃子、よく頑張ったな」