泣いて笑って、それでも私は坂を上る⊿ 46 (ページ41)

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＿＿彼女は、最年少で加入した

年少組の中でも、少し年が離れていた

みんなから可愛がられ、彼女はすくすく成長した

実に9年、その年月は彼女の人生の約半分を占める

10歳だった彼女は、20歳になった

＿デビューからの9年、どうでしたか？

「色んなことがあったけど、総じてとっても楽しかったです」

＿いつもメンバーに可愛がられている姿が印象的でした

「お姉さん達のおかげで、ここまで大きくなりましたもん」

＿でも、昨年は大きな別れがありましたね

「…はい」

＿新しい年になりましたが、今の気持ちはどうですか？

「やるしかないって思ってます。

遺してくれたもの全部、繋いでいきたいです」

＿遺してくれたものとは？

「プロ意識など内面的なものもそうですが、やっぱり曲も…

今日は、その曲を大切に歌わせて頂きたいと思ってます」

＿＿自分を愛してくれた人へ捧げたい

遺してくれたものを、継ぎたい

それが、残された者の使命だから

最年少だった妹は、グループの要になっていた

ここまで頑張らせてくれて、ありがとう

お姉ちゃんの残した曲、今日は私が歌うよ

彼女は、この曲を選んだ

:

〖じゃあね。/ 白石A〗

＿車窓に滲んでいたあの夕焼けに

本当の気持ちも誤魔化して溶かした

言いたかったことがある。

お姉ちゃんが溶かしたんじゃない。

私が、溶かすように仕向けたの。

本当の気持ちに気づくのが、怖かったから。

＿今もまだ滲む空はあなたとの日々を映し出す

泣いてないって強がらせて出会った頃と同じ季節

お姉ちゃんと過ごした9年間。

乃木坂のメンバーと過ごした9年間。

本当に尊くて、幸せな日々だった。

そして、また時は巡る。

10度目の、出会った季節へと進んで行く。

＿泣いてないって坂の途中で

さよならとありがと

私はまだ、坂の途中にいます。

お姉ちゃんとは、別の道を歩いています。

でも、もう泣いてないよ。

今やっと、この言葉が言えそうです。

さよならと、ありがと。

＿＿今回、ユニットをどうするかと聞かれた

6人で年少組のユニットをやってもいいと

でも私は、敢えてこの曲を選んだ

ソロで歌わせて頂くという選択をした

それは、お姉ちゃんに聴いて欲しかったから

私が上り始めた、坂の続きを

もう泣いてない、強くなった私を

白石麻衣さん、今の私の姿はどうですか？

あなたの目には、どう映っていますか？