その傷を癒すのは ページ35
その夜、彼女とすれ違った。
なんて声をかけたらいいか分からなくて。
私にまだ、心の準備が出来てなくて。
咄嗟に目を逸らしてしまった。
＿＿Aさんっ！
どこかで薄々、覚悟はしていた。
彼女の方から呼び止められることを。
体がビクンと反応する。
そして、何事もなかったかのように振り返った。
A「…なに？」
金川「え、と…」
A「話があったから止めたんでしょ？」
金川「…本当にすみませんでした、記事のこと」
A「うん…」
金川「本当にすみません。
私のせいで、迷惑かけてしまって」
A「それは、誰に対しての謝罪？私に対して？」
金川「はい…」
A「モバメもブログも読ませてもらった。
私は正直、ありえないって思ってる。
あんな内容で、納得するわけないでしょ。
ファンの方をバカにするのもいい加減にしな」
自分でも驚くくらい低い声が出た。
怒りを通り越して、呆れの域に入っている。
そう思っていたけど、どうやら誤解だったらしい。
今感じているのは、ハッキリとした怒りだ。
A「それと、謝るべき人は私じゃない。
何で私に謝ればいいって思ったの？」
金川「キャプテンなので…」
A「甘いんだよ、その考えが。
自分の立場、本当に分かってる？
今回の件で、誰に1番迷惑かけたか。
本当にちゃんと理解してる？
してたら、私っていう答えには辿りつかないはずだよ。
分からないうちは、甘いと思う」
金川「すみません…」
A「あなたに聞きたいことは1つ。
あの行動を取る前、乃木坂46のみんなの顔は浮かばなかったのか。
あなたを大切に思ってくれる人の顔、本当に過ぎらなかったのか。
過ぎらなかったのなら、それは私にも責任はあると思う。
あなたにとって1番大切なものは、乃木坂じゃなかった。
そんなグループになれてなかったのは、キャプテンである私の責任」
金川「…っ」
A「厳しいかもしれない。
でも、あなたがしたのはそれくらいのこと。
友達だからで逃げ切れると思わないで。
泣いてる同期の顔、怒ってる先輩の顔。
ちゃんと目に焼き付けておきなさい」
金川「…はい」
A「ごめん、これ以上は今は話せない。
もう話がないなら、悪いけど帰って」
ここまで言って、私は踵を返した。
背後で、深々と頭を下げる気配があった。
自分で言ったことが、酷すぎるって分かってる。
でも、こうしなきゃいけないんだ。
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美紀(プロフ) - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年7月14日 20時) (
レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2021年7月11日 22時
