・ ページ14
白石side
A「ふぅ、おーわった！」
麻衣「お疲れ様っ」
A「いやぁ、これだけ物がなくなるとガラガラだね」
麻衣「特別サービスで、お掃除はやっといてあげる」
A「ありがとう！」
麻衣「ベッドなくなっちゃったし、私のとこで寝るでしょ？」
A「もちろん！」
麻衣「もう最後かぁ…」
A「そうだよ〜」
麻衣「寂しい？」
A「麻衣ちゃんは？」
麻衣「う〜ん…ちょっと寂しい」
A「私はねぇ…結構寂しい」
麻衣「私も実は、すっごく寂しい」
A「素直じゃないなぁ…笑」
引越し前夜、なんとか日付が変わる前に荷造りが終わった。
人が1人いなくなるだけで、こんなにガラガラになるんだね。
ずーっと一緒に住んできたから、まだ見慣れない。
もう明日から、Aは同じ家にいないのか…
ただいまって言っても、おかえりって声は返ってこないんだな。
あの笑顔でお出迎えしてくれること、もうないんだ…
彼女の存在に救われていたのは、実は私の方だったから。
明日からのことを想像して、ちょっと寂しくなる。
A「最後にしたいこと、ある？」
麻衣「最後に？」
A「うん、何でも言って！」
麻衣「叶えてくれるの？」
A「私に出来ることなら」
麻衣「じゃあねぇ…ギューってしよっか」
A「そんなのお易い御用♪」
麻衣「はい…！」
A「ギューっ」
麻衣「ギューっ」
寂しさが顔に出てたのか、Aからハグしてくれた。
意外と、旅立つ方が肝が据わってるもんなんだな。
送り出す方が、寂しくて寂しくて堪らない。
きっと、私が卒業する時のAは、こんな気持ちだったんだろうな。
A「…たまには帰って来てもいい？」
麻衣「もちろん」
A「麻衣ちゃんの料理、食べたくなったら？」
麻衣「作ってあげるよ」
A「一緒に寝たくなったら？」
麻衣「ベッド貸してあげる」
A「寂しくなったら？」
麻衣「電話の相手してあげる」
A「…ありがとう」
麻衣「戸締りはちゃんとするんだからね？
あと、規則正しい生活を送ること。
火の元と換気には十分注意すること。
それと、ご飯は3食しっかり…」
A「あーはいはい、分かってるって笑」
心配性の姉に、苦笑いする妹。
今日が、一緒に過ごす最後の夜です。
このまま2人で、眠りにつこうと思います。
ここにある、当たり前にあった温もりを忘れないように。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 546人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
陽香(プロフ) - かとーしさん» 6-7本です (2021年6月17日 21時) (
レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
かとーし - いつも楽しく見させて頂いてます！！ だいたい毎日何本くらい投稿してる感じですか？ (2021年6月17日 21時) (レス) id: 2c25247d8f (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん太郎 - ツアーの話って書く予定ですか？ (2021年6月17日 0時) (レス) id: 712e913274 (このIDを非表示/違反報告)
？？ - ふとこのシリーズは合計何文字だろうと思って泣いて笑って、それでも私は坂を上る�� 1の合計文字数×50で大まかに計算してみた結果、234万2200文字になりました。まだ終わってないですが、お疲れ様です (2021年6月14日 18時) (レス) id: a2c2f55c9b (このIDを非表示/違反報告)
美彩 - ページ11の飛鳥ちゃんのセリフのところで「拉致があかない」ではなく、埒があかないではないでしょか？いつも更新ありがとうございます (2021年6月13日 10時) (レス) id: a845a2a347 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しろりんご。
| 作成日時：2021年6月11日 11時
