その肩に触れたら… ページ18
西野七瀬卒業コンサート。
その場所には、溢れんばかりの人がいた。
開演5分前 舞台裏＿＿＿
A「ふぅ…」
1人、震える手を握り締めていた。
氷のように、冷え固まっている華奢な両手。
目を閉じると聞こえる、自分の鼓動。
逸る呼吸を抑え、私は真っ直ぐ立っていた。
そして、少し離れた場所でも＿＿
麻衣「ふぅ…」
同じく、真っ白の手を包み込む人。
笑っちゃうくらい震える、色白な両手。
目を閉じて、自分の拍動に耳を澄ませる。
深呼吸をして、揺れる感情を整えていた。
会場に流れる、1本のVTR。
7年半前、あの場所に立ったその子。
大阪から来た、まだギャルっぽかった17歳の女の子。
そんな子が、東京のアイドルになった。
真ん中に立って、グループを引っ張り続けた。
引っ込み思案で、泣き虫だったのに。
いつの間にか、東京で強くなった。
ライブになると、誰よりも輝いて。
かと思えば、消えてしまいそうなくらい儚くて。
そのギャップに、私達は惹かれたんだ。
A「…よしっ」
麻衣「よし…！」
違う場所に居た、私達。
始まりの合図が鳴り響くや、目的地へと歩みを進めた。
そして、出会うなりお互いの手を握る。
どちらの温度も同じで、それが堪らなく愛おしい。
何度も聞いていた、大歓声。
何度も見てきた、サイリウム。
緑、緑、そして時々白。
5万人の熱気が、すぐそこまで伝わっていた。
:
1人、真っ暗になったステージに歩むヒロイン。
彼女だけに、スポットライトが当たる。
＿＿＿気づいたら 片想い
第一声は、震えていた。
その心情を、容易に想像することはできない。
溢れんばかりの感情が伝わってくる。
＿＿いつの間にか好きだった
あなたを思うその度
なんだか切なくて
全ての想いを零さぬように、大切に紡ぐ。
その姿を見て、心が激しく揺れた。
言い様のない激情が、全身を駆け巡る。
この手を置かなきゃいけないのに…
震える手を、華奢なその肩に。
私の手、そして姉の手を。
エールを送るように、優しくそっと。
でも、置きたくなくて。
だって、置いたら始まっちゃうから。
始まったら、終わっちゃうから。
それでも、時間は待ってくれない。
1分1秒と、刻刻と時は流れる。
OKの声が、イヤモニ越しに聞こえてきた。
そして、私達は…
＿＿＿西野七瀬の両肩に、自分の手を置いた
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陽香(プロフ) - ゆづさん» リクエストありがとうございます。自粛期間中に書かせてもらいます！ (2021年1月31日 20時) (
レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - smile さん» リクエストありがとうございます。大丈夫ですよ！自粛期間中の絡みとして、入れさせていただきます。 (2021年1月31日 20時) (レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆづ - 自粛期間中、まいやんと過去のライブや番組を見返す話がみたいです。 (2021年1月31日 10時) (レス) id: 39863e63c2 (このIDを非表示/違反報告)
smile - まいちゅんと梅との絡み見たいです。こんな、シンプルなリクエストでも大丈夫ですか？ (2021年1月30日 23時) (レス) id: 4f17618e1d (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - りんごさん» リクエストありがとうございます。書かせてもらいます！ (2021年1月30日 22時) (レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2021年1月19日 18時
