・ ページ35
久保side
今年のバースデーライブのセットリストを貰った。
2会場同時開催という、未曾有の挑戦。
かなり体力を消耗するライブになることは、火を見るより明らかだった。
だから、私の胸にはさざ波のような不安が轟いていた。
A「史緒里」
久保「Aさん…」
A「セトリ貰った？」
久保「貰いました…」
A「…大丈夫？」
久保「不安です…
今の私の体力と精神力で、乗り切れるか…
不安というか、無理だと思ってます」
A「うん…」
不安そうに俯く私に声をかけてくれたのは、やっぱりAさん。
あの日から、何度か話しかけて下さる。
しかも、必ず私が1人でいる時に。
3期生にも相談出来ていないってこと、ちゃんと知ってるんだろうな。
調子どう？とか、今日はどう？とか、本当に他愛もないことだけど…
それでも、心の底から嬉しかった。
A「いや、史緒里の判断だから、私がとやかく言う資格はないけど…
でも、私なら出ないっていう選択をするかな。
いや、出ないっていう選択をしたメンバーを見てきたっていう方が正しいか」
この方は、いつだって私の背中を押してくれる。
あと1歩の勇気が出ない私に、エールをくれる。
きっと、今Aさんの頭に浮かんだのは、橋本さんと玲香さんのこと。
2人ともそれぞれ、2014年と2016年の真夏の全国ツアーを欠席してる。
ちょうど、今の私のような状態だったらしい。
ファンだった私は、その時の状況を映画で見ていたから知っていた。
久保「もし途中でダメになった方が、周りの方に迷惑がかかります。
それはよく分かってるから、だったら最初から出ない方がいい。
でもきっと、21枚目シングルをこれで回るってことになりますよね」
A「そうなるね」
久保「どっちもお休みを頂いても、いいのでしょうか…
そんな私が、乃木坂にいてもいいのでしょうか…」
A「乃木坂に居ちゃダメな人なんていない。
でも、史緒里がいたくないなら、無理する必要はない。
1番大切なのは、史緒里自身だから。
けど、私は史緒里ともっと活動したい。
それだけは伝えとくね」
そう言い残して、Aさんは去っていった。
私の肩を、ポンポンと叩いて。
その手から、みるみるパワーが伝わってくる。
うじうじしてた自分が嘘みたいだ。
そんなの、結論は1つしかないじゃない。
気づけば、自然と立ち上がっていた。
自分の思いを、ちゃんと伝えるために。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 437人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mi(プロフ) - 陽香さん» ありがとうございます、読ませていただきました。 (2020年11月27日 20時) (
レス) id: ff337c416a (このIDを非表示/違反報告)
齋藤飛鳥推し - 返信、ありがとうございます！ いつも楽しんで見させてもらってます コロナに気をつけて、更新頑張ってください (2020年11月27日 20時) (レス) id: d2bf3c4d60 (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - miさん» 単純に金額を打ち間違えていました。訂正したので、良かったらご確認下さい！ (2020年11月27日 19時) (レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - 瑠花さん» いえいえ、これからもよろしくお願いします！ (2020年11月27日 19時) (レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - 齋藤飛鳥推しさん» 握手会のリクエストは多数頂いているので、そのうち出すと思います…！お待たせして申し訳ありません。かなりの量のリクエストを頂いており、お話の進行を見ながら基本的順番に入れさせて頂いてるので、気長にお待ち下さい…！ (2020年11月27日 19時) (レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しろりんご。
| 作成日時：2020年11月20日 1時
