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白石「A、おいで」


「まいやん…」


白石「シンメよろしくね」


「んーん、こちらこそ…」


白石「ななみんが、楽しかったって思える期間にしようね。

もう悔いはないって思いながら、卒業出来るようにさ」


「うん…」


白石「大丈夫、私もいるからさ。

一緒に乗り越えてこうよ」


「ありがとう…」




遠巻きに、囲まれる主人公を眺める。

異色の輝きを放っているのは、もうここを去ると決めたからなのか。

神々しくて、近寄れないくらい眩しく感じた。

体育座りをして、自分の足元をじっと見つめる。

ゆらゆらしてたら、横から優しい温もりに包まれた。

安心する、まいやんの香り。

頭を預けながら、気のない返事しか出来なかった。




「…時間止めたいなぁ」


白石「そう…だね」


「あとどれくらい必要かな。

乃木坂が東京ドームに立つまでかな。

それとも、レコード大賞取るまでかな。

あ、私が総選挙で1位になる瞬間も見届けてほしいな。

AKBさんとの兼任が終わって、卒業コンサートにも招待したい。

3期生にも会って、教えてあげてほしいことたくさんあるし。

もっと先の後輩にも、ななみんの背中見せてあげてほしいな。

私の成人式には、写真撮りに駆けつけてくれたりしてさ…

ほんと…時間っていくらあっても足りないわ」


白石「うん…」


「あっという間なんだろうなぁ…」


白石「思ったより早く、その日は来ちゃうんだろうね」




夢は、描こうと思うと無限に描ける。

叶えたいと願ったら、次から次へと溢れてくる。

人間って欲深いな…

自分にまだ、こんなに成し遂げたい目標があるなんて思わなかった。

こんなに、誰かと一緒に叶えたいって願う日が来るなんて思ってなかった。

私って、こんなにわがままだったなんて…

こんなにもたくさんの欲があって、手に入れたいと願ってしまっているなんて…

叶わないと知っているから、胸が苦しい。




「…っ」


白石「A、一旦外行こっか」


「ん…」


白石「Aだけじゃないよ、大丈夫。

私もまだ、心の整理が追いついてない。

時を止めたいって思うから。

悲しくなったら、一緒に泣こうよ」


「まいやん…っ」


白石「おいで…っ」




免疫のないサヨナラ。

感情のコントロールが効かなかった。

何も私だけじゃない。

珍しく、まいやんもその波に振り回されていた。

自分だけじゃないと思うと、ちょっとだけ心の枷が外れる。

2人だけの空間、ちょっとだけ泣きあった。

彼女だけは守りたい→←・



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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年5月5日 23時

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