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高橋side
Aからの嬉しい報告を受けて、涙が止まらない。
今まで歩んできた道のりを知ってる。
絶望の闇も、茨の道も、息もできない泥沼も。
全部見て来て、それでも何とか前を向いてくれて。
必死にここまで生きてくれたのを知ってるから。
単に、嬉しいって言葉では片付けられない。
言葉にならない代わりに、止まらない涙が教えてくれている。
高橋「ここまで頑張ってくれてありがとうだし。
自分で決められて偉かったし。
成長したし、よく頑張ったし。
もう、感情が多すぎて迷子なんだよぉ…っ」
「嬉しいです…そう言ってもらえて。
自分が納得出来るゴールを、AKBさんで見つけたので。
もう、学ぶべきことは全部学んだなって。
まぁもちろん、スケジュールもギリギリで、体もしんどいですし。
乃木坂もそろそろ、グループが変わる時で卒業メンバーも出てきて。
最後に思い出作りたい、乃木坂に専念したいって。
そんな私の思いが発端となって、考え始めたんですけどね」
大島「んーん、それも大きな進歩だよ。
今までのAなら、そんな自分の気持ちにも蓋してたもん。
グループのため、ママがダメって言ったから、ママがやって欲しいって願ったから…
理由は色々あっただろうけど、自分より他人の感情を優先させてた。
でも、今回は自分の心に問いかけて、自分の感情を汲み取った。
その感情に素直に従って行動出来たんだもん、大進歩だよ」
優ちゃんが、涙声でAに語りかける。
もう、4年以上になるのかな。
Aのことをずっと気にかけて、心配してきたから。
優ちゃんがこんなに踏み込む後輩は、Aが初めてだった。
それだけ、Aに対して思いが深いんだと思う。
自分がこっちの世界に誘った責任、推しメンとファンの関係…
色々あるけど、優ちゃんにとってAが特別な存在なの間違いない。
それは、Aにとっての優ちゃんも然りだ。
「ママにはもちろん、何にも話してません。
私は私だから、私の気持ちを優先させようって。
私がここまで頑張るって決めたから…
この目標を達成するまで頑張りたいって思ったから…」
大島「偉いよA…！
確実に前進してるよ、大成長だよ…！
もう…感無量だよっ！
さすがはA…私の子だよっ！」
優ちゃんが、Aを逃がしたと言っても過言じゃない。
そして今、逃げ切ろうとしている。
そんなの…胸いっぱいになるよね。
感無量になるに決まってるよ。
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2023年5月5日 23時
