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島崎「あんま無理しないでね」


「ぱるるさんこそ、大丈夫なんですか?

無理してるんじゃないですか?」


島崎「うん、私はもう大丈夫。

なんかねぇ…吹っ切れたんだよね、いつの日からか。

もう、残された時間が長くないからさ。

目標決めると、どんな省エネ人間でも頑張れるんだね。

すごいやって…自分に自画自賛だよ笑

ま、みんないつもエンジン全開だからさ。

それに比べれば、私なんて全然まだまだなんだけどね。

自画自賛のハードル低いって怒られちゃう笑」


「ぱるるさん…」




確信してしまった。

まぁ、8割方分かってはいたんだけど。

ちょっとだけ、違ったらいいなぁなんて思ってて。

僅かな期待が外れてしまうと、どうしようもなく切なくなる。

もう、ラッシュは止められなさそうだ。

そしたら悲しくなって、咄嗟に顔を伏せてしまった。




島崎「えぇ、Aちゃんどうしたの〜?

下向いちゃってる…具合悪い?」


「…卒業、しちゃうんですか?」


島崎「うん、卒業するんだぁ」


「ですよね…」


島崎「Aちゃんは分かっちゃうよねぇ」


「発表の時から気づいてました…」


島崎「勘が鋭いねぇ、さすがだ。

何となく気づいてるだろうなぁとは思ってたけど。

まさか、発表の時から勘づいてたなんて…

私たち、結構ポジション近いこと多かったもんね。

ちょっと分かり合えるような感じになれたのかな」


「シンメ組ませてもらったり、代打センターやらせてもらったり…

ぱるるさんと一緒に活動した思い出があるので、やっぱり寂しいです」


島崎「私は、Aちゃんと一緒にAKBを引っ張って来たって思ってるよ。

黄金期の神7でもないし、その時代は経験してないけど。

その方達が残していったものを一緒に繋いだって、私は思ってる」


「ぱるるさん、ずるいですぅ…」


島崎「あぁ、泣かないでぇ笑」


「だってぇ、普段絶対そんなこと言わないじゃないですかぁ」


島崎「うん、言わなーい」


「何で言うんですかぁ」


島崎「えー、理由なんてないよ。

何となく言いたいなーって思っただけ。

私、自分のこと好いてくれる後輩好きだからさ」




困り顔のぱるるさん。

抜けに見える横顔が好きだった。

ぱるるさんが私にこんなこと思ってくれてたなんて…

普段、ぱるるさんがこうやって後輩に言葉を届けている姿なんて見たことない。

特別感溢れる光景が、今私の前に広がっている。

この涙には、嬉し涙も含まれているに違いない。

シンデレラは夢を見ない→←秘めた思いが溢れて



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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年5月5日 23時

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