7時間半の挑戦 ページ45
「A、無理はするなよ」
桜井「大丈夫、私たちでフォローするから」
こう背中を押されて、私はステージへ続く階段を上った。
少しだけ、足が震える。
心臓の鼓動が早いのは、緊張か、それとも別の感情か。
迎えた、バースデーライブ当日。
気温は、約10℃。
真冬のドームという、未知なる挑戦。
7時間半に及ぶ未曾有のライブが、今、始まった。
紫のギンガムチェックの衣装に包まれ、私は鳴り響くOvertureを聞いていた。
隣には、戦友の飛鳥。
前には、憧れの人。
私は、真っ直ぐに前を見据えて、自分の足でステージに立っていた。
生駒「皆さん、3歳の誕生日を、一緒にお祝いしましょう！」
この声を合図に、1曲目のイントロが流れた。
明るくて懐かしい、私たちのデビュー曲。
ここが、私の勝負だった。
最初さえ乗り切れば、あとは大丈夫。
そう自分に言い聞かせていた。
さっきよりも激しく、足が震える。
逃げ出したい衝動を抑えて、顔を上げた。
ぎゅっと閉ざしていて目を開けて、笑顔を作った。
＿＿＿そこには、大好きな景色が広がっていた
キラキラ輝く、ペンライト。
ファンの方の温かい声援。
自分の名前のタオルや団扇。
私が、大好きな景色。
勇気をもらえる、素敵な景色。
自然と震えは止まっていた。
:
A「みなさ〜ん、ただいま気温が2℃をマークしたそうです！
あまりの寒さに凍えそうですが、まだまだ盛り上がって行きますよ〜！
まだまだ楽しむ準備は出来てますか〜？
熱い熱い、アンダーブロックの幕開けです！
私たちの熱気で寒さなんて吹き飛ばしましょう！
みんな〜！騒げ〜〜！！」
寒さなんか、感じてる暇もなかった。
ステージに立つ怖さなんて、とっくに忘れていた。
あそこで、諦めなくて良かった。
勇気を出してみて、本当に良かった。
怖さを堪えて踏ん張ったら、最高の景色が見える。
私を待っててくれる人がいる。
ステージに立つ私を、応援してくれてる人がいる。
全部、さゆりんの言う通りだった。
A「……ありがと、さゆりん」
スタンバイしているさゆりんの後ろ姿に、小さく声をかけた。
聞こえないくらいの、囁きにも似た声。
後ろを向いているから気づかないが、呼ばれた名前の持ち主からは、一筋の涙が…
心が、ほんの一瞬だけ通いあった瞬間。
＿＿この言葉が届いていたことを、少女は知らない
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美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2020年11月20日 13時) (
レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - 愛さん» リクエストありがとうございます。もう少しギクシャクする予定で下書きしてあるので、お楽しみ頂けたら嬉しいです！ (2020年7月4日 21時) (レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - れもんさん» リクエストありがとうございます！お時間頂きますが、書かせてもらいます。 (2020年7月4日 21時) (レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - りんごさん» リクエストありがとうございます。お時間頂きますが、書かせてもらいます！ (2020年7月4日 21時) (レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - 琴乃さん» ありがとうございます！リアルだと今野式なのでその通りに書いてしまったのですが、バナナマンさんとの絡みも追加しました。ご了承頂いた上で、お読み頂けたら嬉しいです！ (2020年7月4日 21時) (レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2020年6月21日 14時
