私は、弱虫 ページ22
奈々ちゃんの家に居候してから、数日が経った。
まだ、11枚目シングルの制作は始まっていないから、特に何かが変わったわけでもない。
麻衣ちゃんとも、あれから連絡を取っていない。
ただ、ひたすらに目の前にある仕事をこなす日々。
ひどい虚無感に襲われながら、変わらない毎日を送っていた。
:
そんな今日は、個別握手会。
あの日以来初めて、麻衣ちゃんとさゆりんに会う。
気が重かったけど、何とか奮い立たせて会場入りした。
星野「Aおはよ〜」
A「おはよ」
飛鳥「今日隣のレーンじゃん、やったね！」
A「久々だね」
飛鳥とみなみが、すぐに声をかけてくれた。
始まるまで、ずっとおしゃべりしててくれた。
だから、2人と気まずくなることもなかった。
これなら、大丈夫。
自分に言い聞かせて、レーンまで向かう。
胸のあたりをトントンと叩いて、気持ちを落ち着かせる。
笑顔の練習をしながら、歩いていた。
そうじゃないと、泣いちゃいそうだったから。
まだ、選抜発表は乃木どこで放送されていない。
だから、ファンの方はこの結果を知らない。
優しく言葉をかけられたら、申し訳ない気持ちで溢れそうだった。
自分の気持ちをコントロールできるか、不安だった。
選抜発表のことに触れられたら、涙が零れそうだったから。
数日経ってもなお、私の心の傷は癒えてなかった。
「今日のまいやんレーンやばいね」
「外まで列行ってるんでしょ？」
「個握でこれは強すぎるわ」
「体調崩さなきゃいいけどね」
「やっぱ、まいやん様だな」
自分のレーンに向かう途中、スタッフさんが話しているのを聞いてしまった。
聞いたというより、耳に入ってしまった。
気にしなきゃいいのに、体は正直だ。
反射的に、麻衣ちゃんのレーンを向いてしまった。
まだ麻衣ちゃんは来てないものの、長蛇の列が出来ていることは一目瞭然だった。
何重にもなっている列には、たくさんの人。
推しタオルやうちわも持って、並んでいた。
その中には、女性の方も目立つ。
A「……っ」
思わず、足が止まってしまった。
もう見慣れた光景のはずなのに。
今まで何とも思ってこなかったのに。
その距離が、遠かった。
もう手が届かないんじゃないかと思うほどに。
このまま、見失ってしまうんじゃないかと錯覚するくらいに。
私は、しばらくそこから動けなかった。
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美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2020年11月20日 13時) (
レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - 愛さん» リクエストありがとうございます。もう少しギクシャクする予定で下書きしてあるので、お楽しみ頂けたら嬉しいです！ (2020年7月4日 21時) (レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - れもんさん» リクエストありがとうございます！お時間頂きますが、書かせてもらいます。 (2020年7月4日 21時) (レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - りんごさん» リクエストありがとうございます。お時間頂きますが、書かせてもらいます！ (2020年7月4日 21時) (レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - 琴乃さん» ありがとうございます！リアルだと今野式なのでその通りに書いてしまったのですが、バナナマンさんとの絡みも追加しました。ご了承頂いた上で、お読み頂けたら嬉しいです！ (2020年7月4日 21時) (レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2020年6月21日 14時
