〇真壁君との思い出 ページ14
私には、幼馴染がいる。
名前は、真壁翔。
翔とは、私が中学校入学と同時に芸能事務所に入るまで、1日の殆どを一緒に過ごしていた。
家が近くだったのもあって、登下校は常に一緒。
クラスも6年間同じだった。
幼い頃から私の家庭事情は複雑で、私はよく翔の家にお邪魔していた。
そんな優しい真壁家との思い出を、少し回顧してみようと思う。
…
真壁「雛乃ちゃん、あのさ…」
『なに？』
真壁「明日、雛乃ちゃん誕生日でしょ？」
『そうだけど…』
真壁「もし良かったら、僕の家でパーティーしない？」
『えっ…でも』
真壁「何か予定あった？」
『ないけど…』
真壁「じゃあ決まり。明日の5時に、うちに来て」
小学2年だったかな。
この頃からお母さんが家に帰ってくる日が減った。
別に1人は平気だし、誕生日さえも忘れかけてたから、翔の誘いには驚いた。
でも凄く嬉しくて、ワクワクしながら約束の時間に翔の家に行ったんだ。
真壁「雛乃ちゃん、お誕生日おめでとう！」
『わあぁ！ありがとう！』
彩られたリビングに、沢山並べられた翔のお母さんの手料理。
翔からプレゼントも貰った。
温かい気持ちになって自然と涙が零れたのを、今でも鮮明に覚えている。
…
そういや、こんな事もあったな。
真壁「雛乃！電話しても出ないし、家行っても出て来ないからマジで心配した！」
『ごめん…ちょっと熱高くて…』
小学6年の冬、私は高熱を出して学校を休んだ。
勿論お母さんは帰って来るはずもなく、学校には自分で電話して大人しく寝ていた。
動く気力もなくて、翔からのメールに気づいたのは2日後のこと。
連絡を受けた翔は、お母さんお手製のお粥とりんごを持って来てくれた。
真壁「今回は仕方ないけど、マジで焦った！雛乃といるとホント心臓に悪い」
『ごめんね…』
1人が平気な私でも、39℃越えの熱が出ての1人は流石に心細かった。
翔が来てくれた安心と、翔のお母さんの優しい味で、私は久々に泣いた。
真壁「え、いやごめん！そう意味じゃなくて…ホント違うの！ごめん！」
『…っふふ笑。違うの。嬉しいのと、安心して…ありがと、翔。来てくれて』
焦る翔が可愛くて思わず笑っちゃったけど、本当に感謝してる。
それから数ヶ月して、私は芸能事務所への所属が決まって寮に引っ越す事になった。
見送りに来てくれた翔は、別れ際に耳元で囁いた。
“俺の初恋は、雛乃だったよ”
＿＿春風が運んだ、淡い初恋
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陽香(プロフ) - 涼宮美桜さん» ありがとうございます！ちょうど容量がいっぱいになってしまったので、近日中に本編を公開したいと考えているので、そちらも見て頂けたら嬉しいです！ (2019年4月21日 12時) (
レス) id: 0fd742501e (このIDを非表示/違反報告)
涼宮美桜 - このお話すっごく好きです！これからも更新頑張ってください！応援してます！！ (2019年4月21日 0時) (レス) id: 67fa9efd8d (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - 美紀さん» ありがとう！絶対3Aロスになるね笑 (2019年3月10日 19時) (レス) id: 0fd742501e (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 今日で最終回だよ甲斐隼人君と翔君と蓮君ロスになる作者さんタメにして (2019年3月10日 11時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます！甲斐君カッコイイですよね！明日の最終回も楽しみですね！ (2019年3月9日 21時) (レス) id: 0fd742501e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2019年3月1日 15時
