翔サンの過去１ ページ40
潤 side.
翔さんの手が
家族写真の貼ってある
最初のページをめくる。
「おじさん若いけど
風貌は今とあんまり変わらないね」
「そうだろ？
親父さ、この頃は“熊さん”って
呼ばれてたんだよ」
皆んなからね。
って言いながら、その次の頁をめくると
急に沢山の子どもたちの写真が出てきた。
一瞬、学校の写真？と思ったけど、
明らかに学年がバラバラで
なんなら、まだ赤ちゃんだよな？って子も写ってる。
もしかしてと思って
翔サンの方を見上げると
翔サンはコクンと頷いて
「おれがいた施設だよ。
親父と母さんと、今の“家族”になる前に
暮らしてた場所なんだ」
そうゆっくりと話し始めた。
「親父と母さんはここの
“里親ボランティア”をしててさ」
一緒に施設で遊んだり
時には自分の家に子どもを招いたりして
子どもたちと交流しながら
最終的には“家族”になったりもする
そういう制度というものがあったらしい。
「１歳に満たない乳児には特にね、
そばにある“安心出来る温もり”
ってヤツが必要なんだって。
母親がいたら当たり前に与えられる温もりをね。
だから短期でも長期でも、
その里親さんに預かってもらって一緒に暮らす事を
優先的にされてたんだ」
「そうなんだ」
翔サンがページをめくる度に
子ども達の笑顔の写真が出てくる。
きっと、おじさんが撮った写真だろう。
でも
気になったのはその写真にうつる翔サンが
ちっとも笑っていないということ。
かと言ってその目に
寂しさや哀しさが見える訳ではなくて
この小さな翔サンの心が
そこには一切存在しないように
俺には感じられたんだ。
どうして
おれが言葉を詰まらせていると
翔サンが「大丈夫か？」って穏やかに笑って
覗き込んでくる。
今の、今の翔サンは笑っている。
おれの隣で笑ってる。
その事が少しだけおれの心を緩ませた。
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ユヅキ(プロフ) - YUMIさん» ほんとにいつもコメントをくださってありがとう〜私の方もとっても楽しみにしているんですよ〜(#^.^#)移行まで少しお時間いただきますが、再開の際にはよろしくお付き合いくださーい(*^^*) (2016年3月25日 23時) (
レス) id: ead05f967a (このIDを非表示/違反報告)
ユヅキ(プロフ) - YUMIさん» そうですね〜Jさんはしょーさんの些細な揺れに気づいたのか、無意識に自然にか…(*^^*)これからもこんな風にお互い寄り添っていくんでしょうね、ふふ(#^.^#) (2016年3月25日 23時) (レス) id: ead05f967a (このIDを非表示/違反報告)
YUMI(プロフ) - 次の移行まで時間があるようですが、私はいつまででも待てるので、ユヅキさんの時間が充分確保出来た時にでも更新して下さい。ご家族との御旅行気をつけて楽しんで下さいね(^-^) 長々と失礼致しました。 (2016年3月24日 7時) (携帯から) (レス) id: a887c47837 (このIDを非表示/違反報告)
YUMI(プロフ) - ユヅキさん、いつも更新ありがとうございます。ユヅキさんの作品を初めて拝見した時から毎日が本当に楽しくて、ユヅキさんの作品は私の生きる糧になってます。本当にありがとうございます！ それからご家族と御旅行との事、承知しました。 (2016年3月24日 7時) (携帯から) (レス) id: a887c47837 (このIDを非表示/違反報告)
YUMI(プロフ) - すっと微睡みに落ちた翔さんの気持ちが痛い程こちらに伝わって来ました。切っても切り離せない絆で結ばれた二人は、今後どんなことがあろうとも二人で、周りの人たちと一緒に乗り越えていくであろう姿がありありと浮かんできました。 (2016年3月24日 7時) (携帯から) (レス) id: a887c47837 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユヅキ
| 作成日時：2016年2月12日 10時
