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教室に入ると、初めて出会う人達で溢れていた。黒板に貼られた紙を見て席を確認する。


「窓際の前から二番目……」


隣の席は元田 智輝。


心の中で、何処かで聞いたことのあるような名前を付け足す。


とりあえず席に着こう。


そう思い自席の方に目をやると、あの学年代表の生徒が座っていた。


元田 智輝という名前が頭の中を巡る。
そうだ、思い出した。
元田 智輝はあの死んだ目をした学年代表の生徒だ。


私は思わず苦虫を噛み潰したような表情になる。


第一印象から人を見極めるのはあまり良くない行為だと分かっていながらも、彼は根暗で闇が深い生徒なのだと推測した。


あまり関わりたくなかったが、仕方がない。
恨むべきは神様だろう。


なんとも言えない気分のまま私は自席に近づく。


机上を眺めるかのように俯く元田君を横目に私は席に着く。


やはり、目は死んでいた。


すると、扉の開閉音が聞こえてくる。
入ってきたのは背の高い男の先生。


先生は教室に入るなり教卓を叩き、声を張り上げた。



「静かに! 今日からこのクラスを受け持つことになった宮川勇気だ!」


第一印象、声がデカい。


そこから推測するに、この教師は馬鹿だろう。
生徒が悪事を働いたら頭ごなしに叱るタイプだろうか。それともドラマ等で良くみる熱血タイプだろうか。


まぁ、どちらにしろウザいことに変わりはないけど。


「今から全員に軽く自己紹介をしてもらう! 名前、誕生日、好きな教科、趣味、特技。そしてクラスメイトに一言を言ってもらう! 出席番号一番から! はい!」


軽くって何だっけと思わせるかのような自己紹介だ。名前、生年月日、一言だけで良いだろう。


私がそんなことを考えていると、出席番号一番の男子生徒が欠伸をしながら立ち上がった。

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ヒカリ - この作品みてて後々きずいたんですけど「あたしのあーる」ですよね?間違ってたらごめんなさい (2018年8月20日 15時) (レス) id: 9436d6040f (このIDを非表示/違反報告)
夘月(プロフ) - Flowerさん» コメントありがとうございます! 好きと言われてとても光栄に思います(*^^*) 続きが気になりますか……! 更新頑張りますね(*^^*) ありがとうございます! これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年6月14日 16時) (レス) id: 362c230e82 (このIDを非表示/違反報告)
Flower(プロフ) - 初コメ失礼いたします!この作品めちゃくちゃ好きです……なんか、こう…先が気になるぅ、みたいな(語彙力)これからも応援しております笑 コメント失礼しました! (2018年6月14日 10時) (レス) id: 0fb1b62cfe (このIDを非表示/違反報告)
夘月(プロフ) - 莉夏さん» コメントありがとうございます! 大好きと言ってくださるのは此方のモチベーションにも繋がります! ありがとうございます(*^^*) これからも応援よろしくお願いしますm(_ _)m (2018年5月1日 18時) (レス) id: 362c230e82 (このIDを非表示/違反報告)
夘月(プロフ) - #よもぎもちさん» コメントありがとうございます! 続きが気になると言ってくださるのは何よりです(*^^*) 自分のペースで徐々に更新していけたらなと思っている所存です! これからも応援よろしくお願いします(*_ _) (2018年5月1日 18時) (レス) id: 362c230e82 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夘月 | 作成日時:2018年3月8日 14時

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