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しばらくすると、シルクさんとマサイさんが大量の買い物袋を持って家に帰ってきた。
「おかえりなさい」
二人に向かって言うと、笑顔でただいまと
返してくれた。
キッチンに向かい、買い物袋を置くシルクさんとマサイさん。
シルクさんに無理矢理連れていかれて不愉快な顔をしていたマサイさんだが、今はもう明るい表情に変わっている。
……若干無理をしているように見えるが、それには触れないでおこう。
リビングに戻ってきたシルクさんは
目を丸くさせた。
「ザカオは?」
シルクさんに訊かれて私は思わず口を噤んだ。
怒らせてしまった。なんて言ったら責められるのは私……それが怖かった。
「えっと……」
私が目を泳がせながら返答に困っていると、マサイさんが私の目の前で少し屈んで目線を合わせた。
「悪いこと……しちゃった?」
マサイさんが真剣な眼差しで訊いてくる。
そしてやはり距離が近い。
緊張のせいで私はコクリと頷くことしかできなかった。
それを見たマサイさんは屈むのをやめて、腕を組んで考え始める。
「どんなことしたんだ?」
シルクさんに訊かれたので、落ち着いて話すことにした。
仲良くなろうとしたこと、話した内容などを全て話すと、シルクさんとマサイさんは顔を見合わせて吹き出した。
「それが悪いことだと思ったのかよ!」
シルクさんは先程と同様腹を抱えて笑う。
そんなに可笑しいことだっただろうか。
「まぁ怒らせたことは事実だもんな? それにしても……っ……!」
マサイさんだけは私の味方をしてくれるのだと期待したが、最後の最後で笑われた。
「まぁまぁ、あいつは今大変だから仕方ねぇな」
シルクさんは困ったように笑いながら言う。
「大変って?」
私が問うと、シルクさんはニタリと口角を上げながら私に近付いてきた。
「す、き、な、ひ、と」
そして、私の耳元でそう囁く。
耳元で囁く意味はよく分からなかったが
それでも少しくすぐったくて、ゾクリとした。
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ヒカリ - この作品みてて後々きずいたんですけど「あたしのあーる」ですよね?間違ってたらごめんなさい (2018年8月20日 15時) (レス) id: 9436d6040f (このIDを非表示/違反報告)
夘月(プロフ) - Flowerさん» コメントありがとうございます! 好きと言われてとても光栄に思います(*^^*) 続きが気になりますか……! 更新頑張りますね(*^^*) ありがとうございます! これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年6月14日 16時) (レス) id: 362c230e82 (このIDを非表示/違反報告)
Flower(プロフ) - 初コメ失礼いたします!この作品めちゃくちゃ好きです……なんか、こう…先が気になるぅ、みたいな(語彙力)これからも応援しております笑 コメント失礼しました! (2018年6月14日 10時) (レス) id: 0fb1b62cfe (このIDを非表示/違反報告)
夘月(プロフ) - 莉夏さん» コメントありがとうございます! 大好きと言ってくださるのは此方のモチベーションにも繋がります! ありがとうございます(*^^*) これからも応援よろしくお願いしますm(_ _)m (2018年5月1日 18時) (レス) id: 362c230e82 (このIDを非表示/違反報告)
夘月(プロフ) - #よもぎもちさん» コメントありがとうございます! 続きが気になると言ってくださるのは何よりです(*^^*) 自分のペースで徐々に更新していけたらなと思っている所存です! これからも応援よろしくお願いします(*_ _) (2018年5月1日 18時) (レス) id: 362c230e82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夘月 | 作成日時:2018年3月8日 14時