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「もういいんだよ、シルク君」
分かってる、もう受け入れなければならない。
「それは、竣の為にならない。シルク君は竣の唯一のお友達だったんだから、竣の気持ち、分かってあげて……ほしい……」
嗚呼、受け入れたばかりのことを伝えるのってこんなに酷なことなんだ。
私は涙声になりながら、シルク君にそう伝えた。
「……そっか……A姉ちゃんは、竣のこと受け入れられたんだ……お節介だったんだね」
シルク君は私から少し距離をとると、涙声でそっかそっか……と安堵するかのような声を漏らした。
「馬鹿だなぁ、俺……これが姉ちゃんの助けになるなんて思ってなかったはずなのに、なんでこんなことしたんだろう。マサイにも言われたのになぁ……」
シルク君は鼻をすすりながら苦笑し、そう言っていた。
扉の開閉音が聞こえる。
「俺が責任取らなくても、解決したみたいだな」
扉を開けた主はマサイ君で、マサイ君は優しい笑みをこぼした。
「沢山迷惑かけたね、シルク君にもマサイ君にも」
私は二人の顔を見ながら、謝罪の言葉を述べた。
二人は首を横に振り、こちらこそと言う。
…………これで、シルク君のこともマサイ君のことを救えただろうか。
「みんなを救って欲しい」という希望に沿うことは出来ただろうか。
「この件は、解決出来たかなぁ」
私がそう呟くと、シルク君は私の肩を掴み口を開いた。
「こんな俺だけど、これからも友達として接して欲しい……」
私は、その言葉にただ微笑むことしか出来なかった。
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ねこぱんだ - 二回目コメント失礼します!わたしのアールの考察?ですが、一番最初の三つ編みの子はザカオさんで、背の低い子はシルクさんで、最後の黄色いカーディガンの子がモトキさんで、最後の歌詞は夢主さんですかね?なんか似ていて言いました。気づいた瞬間ガン泣きしました笑 (2022年12月30日 15時) (レス) @page28 id: 6986282e56 (このIDを非表示/違反報告)
ねこぱんだ - 初コメ失礼します!アストロノーツという曲が気になり聴いてみたら、夢主さんとあっていて自然と涙が出ました…この小説を読む度にも涙が出ました笑BADENDも良かったですがHappyENDも気になりました笑面白かったです! (2022年12月30日 15時) (レス) @page28 id: 6986282e56 (このIDを非表示/違反報告)
しか(プロフ) - 久しぶりのコメント失礼します、完結おめでとうございます。ずっと作品を何度も読み返し更新される度々話が進んでいき、とても面白かったですここ夢主さんの設定などもなかなか興味のわく設定でした(言葉足らずですみません)、自分は刃の方はわからないのですが時間が (2020年6月2日 19時) (レス) id: 1968a09339 (このIDを非表示/違反報告)
しか(プロフ) - ある時に本家を知らない人間ですが読ませていただきますね。また魚での小説が出た時出る時を楽しみにしております(長文で2つになってしまいました。) (2020年6月2日 19時) (レス) id: 1968a09339 (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても引き込まれる、素敵で、深い作品でした!バッドエンドで心が締めつけられましたが、なかなかない感じですごく楽しく拝見させていただきました!作成お疲れ様でした!!!!! (2020年5月30日 7時) (レス) id: 534e341e06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夘月 | 作成日時:2019年6月21日 11時