109 シルクside ページ12
ある日、いつも通り公園で待っていると、お姉さんが公園の前を通りました。
「__姉ちゃん」
僕が叫ぶと、お姉さんがこちらを振り向きました。
いつもより元気のない顔をしていましたが、こちらを見た瞬間お姉さんはワッと目を輝かせました。
「_!」
お姉さんは僕を見てあの子の名前を叫びます。
「_!どこに行ってたの!」
お姉さんは僕を抱きしめながら泣き始めました。
「__姉ちゃん?」
僕は戸惑いながらお姉さんの名前を呼びました。
「怖かったね、ごめんね一人にして。さぁ、おうちに帰ろ?」
お姉さんは僕の手を引きました。
「僕の家はこっちじゃないよ?」
僕がお姉さんに言うと、お姉さんはニコニコと笑いながら「帰るよ」と言うだけでした。
お姉さんの足が止まりました。
目の前にはあの子の家がありました。
「お母さんたちも待ってるよ」
お姉さんがそう言うと、僕は手を引かれあの子の家に入りました。
「お母さん、_が戻ってきたよ」
お姉さんが玄関で叫ぶと、慌ただしい足音が聞こえ、僕たちの前にあの子のお父さんとお母さんが現れました。
「__……この子は_じゃないわ。隼人くんよ」
お母さんは泣きながらお姉さんに言いますが、お姉さんは首を傾げるだけでした。
「人様に迷惑をかけるな。ごめんね、隼人くん。今お家に送っていくからね」
お父さんは厳しい目でお姉さんを見たあと、僕のことを申し訳なさそうな目で見ました。
その後、お父さんによって僕の家まで送られました。
次の日からはあの子を見かけることも、お姉さんを見かけることもなくなりました。
あの子の家を見ると、いつもあるあの子の苗字の札が無くなっていました。
そして次の日、新聞に大きくあの子の名前が載っていました。
【A 竣 (10) 溺死】
「これ、なんて読むんだろうなぁ。……し?」
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ねこぱんだ - 二回目コメント失礼します!わたしのアールの考察?ですが、一番最初の三つ編みの子はザカオさんで、背の低い子はシルクさんで、最後の黄色いカーディガンの子がモトキさんで、最後の歌詞は夢主さんですかね?なんか似ていて言いました。気づいた瞬間ガン泣きしました笑 (2022年12月30日 15時) (レス) @page28 id: 6986282e56 (このIDを非表示/違反報告)
ねこぱんだ - 初コメ失礼します!アストロノーツという曲が気になり聴いてみたら、夢主さんとあっていて自然と涙が出ました…この小説を読む度にも涙が出ました笑BADENDも良かったですがHappyENDも気になりました笑面白かったです! (2022年12月30日 15時) (レス) @page28 id: 6986282e56 (このIDを非表示/違反報告)
しか(プロフ) - 久しぶりのコメント失礼します、完結おめでとうございます。ずっと作品を何度も読み返し更新される度々話が進んでいき、とても面白かったですここ夢主さんの設定などもなかなか興味のわく設定でした(言葉足らずですみません)、自分は刃の方はわからないのですが時間が (2020年6月2日 19時) (レス) id: 1968a09339 (このIDを非表示/違反報告)
しか(プロフ) - ある時に本家を知らない人間ですが読ませていただきますね。また魚での小説が出た時出る時を楽しみにしております(長文で2つになってしまいました。) (2020年6月2日 19時) (レス) id: 1968a09339 (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても引き込まれる、素敵で、深い作品でした!バッドエンドで心が締めつけられましたが、なかなかない感じですごく楽しく拝見させていただきました!作成お疲れ様でした!!!!! (2020年5月30日 7時) (レス) id: 534e341e06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夘月 | 作成日時:2019年6月21日 11時