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どうすればいいのかAは全く分からなくなった。杖がないと、ボロボロになった本も直せない。それどころか、授業だって受けられない。
Aはカバンを掴んで図書室を出た。まだ近くに、杖を持ち出した人間がいるかもしれない。
だがそう簡単に見つかるわけもなかった。Aはその日、休みの一日中城の中を探し回ったが、杖は見つからなかった。教室、談話室、大広間、そしてトイレまで。全て探したが、どこにもない。何より、こんなに広い城の中で杖一本探すことなど不可能に近いことを、Aは知っていた。
────
杖が見つからないまま、週が明けた。
最初の薬草学や魔法生物飼育学、占い学やマグル学は無事に乗り切ったが、問題は変身術の授業で起きた。変身術の授業では、ほぼ必ず杖を使う。
「Ms.カルディア、何をしているのですか？」
ハリネズミを針山に変える授業で、みんながハリネズミを前に杖を振っているのに、何もせずにハリネズミを見ているAに気が付き、マクゴナガル先生が声をかけた。
「杖を出して、ハリネズミを針山に変える呪文を唱えてください」
「はい……先生」
Aの顔はみるみるうちに青ざめて、額に汗が滲んだ。意味もなくポケットをまさぐり、手を下ろすと、マクゴナガル先生はすぐにその異変に気がついた。
「杖はどうしたのですか、カルディア」
「……すみません。忘れてしまいました」
周りの生徒たちはありえないという顔でAを見た。魔法使いが、魔法の授業を受けるために教室に来て、杖を忘れてくるなどありえないことだ。ましてや、成績優秀なAがそんな忘れ物をするなど、想像もつかない。
「……やはり連日のハードな時間割で、疲れているようですね、カルディア」
マクゴナガル先生はそう言うと、Aの机の上で動くハリネズミを針山に変えた。
「医務室に行ったほうがいいでしょう。顔色も悪いですから。さあ」
Aはマクゴナガルに頭を下げ、カバンを肩にかけて教室を出て行った。しかし医務室には向かわなかった。医務室で休んでいる暇があるのなら、杖を一刻も早く見つけ出したかった。
もう、あんな恥をかきたくない。まだ探していない場所を、Aはくまなく探した。杖さえあれば、もう少し楽に探せるのに。しかし、なくなったのは、その肝心の杖だ……
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鵲(プロフ) - (・´-・｀）ﾄﾞﾔｧさん» ありがとうございます…！うーん、端末によってwebの検索の仕方が違うとは思うのですが、直接リンクを開くと作品に飛べると…思います…若しくは、R18を表示できる設定にしていれば、私の作品ページから飛べないでしょうか？＞＜お手数おかけして申し訳ありません！ (4月20日 3時) (
レス) @page43 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
(・´-・｀）ﾄﾞﾔｧ(プロフ) - レヴィアタンの独白を読んでこの方すげぇな…って感動してしまいました！先程のコメント通りにwebの検索欄にペーストするとあいばくのアイソレーションという作品に飛んでしまうのですが…。すいません。その場合どうすれば良いでしょうか？？ (4月19日 7時) (レス) @page43 id: 831d7e662a (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - かなさん» 読んでくださりありがとうございます😭！リンクをコピーしてwebの検索欄にペーストしたら飛べないでしょうか…！ (3月27日 5時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - 神崎さん» ありがとうございます！🙏😭R18あまり自信はないのですが、お楽しみいただけたら幸いです……😭😭 (3月27日 5時) (レス) @page43 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
かな - 全ての作品楽しみに見させてもらってます！R18作品がリンクから飛んでも見れなくて、どこから見せますか？🥺 (3月25日 9時) (レス) @page43 id: 6549d2c57b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵲
| 作成日時：2024年2月24日 6時
