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「エンゴージオ！ 肥大せよ！」
クモが膨れ上がった。いまやタランチュラより大きい。ムーディは再び杖を上げ、クモに指し、呪文を唱えた。
「クルーシオ！ 苦しめ！」
たちまち、クモは脚を胴体に引き寄せるように内側に折り曲げてひっくり返り、七転八倒し、わなわなと痙攣しはじめた。何の音も聞こえなかったが、クモに声があればきっと悲鳴を上げているに違いない。ムーディは杖をクモから離さず、クモはますます激しく身を捩りはじめた――。
「やめて！」
ハーマイオニーが金切り声を上げた。ハーマイオニーの目はクモではなく、ネビルを見ていた。その視線を追つと、ネビルは机の上で指の関節が白く見えるほどギュッとこぶしを握り締め、恐怖に満ちた目を大きく見開いていた。 ムーディは杖を離した。クモの脚がはらりと緩んだが、まだひくひくしていた。
「レデュシオ！ 縮め！」
ムーディが唱えると、クモは縮んで、元の大きさになった。ムーディはクモを瓶に戻した。
「苦痛」
ムーディが静かに言った。
「『磔の呪文』が使えれば、拷問に『親指締め』もナイフも必要ない……これも、かつてさかんに使われた」
「よろしい……ほかの呪文を何か知っている者はいるか？」
みんなの目は「三番目のクモはどうなるのだろう」と考えているのが読み取れたが、Aは冷静に手を上げた。
「何かね？」
「アバダ ケダブラ、『死の呪い』です」
何人かが不安げにAを見た。
「ああ……」
ひん曲がった口をさらに曲げて、ムーディが微笑んだ。
「そうだ。最後にして最悪の呪文。『アバダ ケダブラ』……死の呪いだ」
ムーディはガラス瓶に手を突っ込んだ。すると、まるで何が起こるのかを知っているように、三番目のクモはムーディの指から逃れようと、瓶の底を狂ったように走り出した。しかしムーディはそれを捕らえ、机の上に置いた。クモはそこでも、木の机の端のほうへと必死で走った。
ムーディが杖を振り上げた。
「アバダ ケダブラ！」
ムーディの声が轟いた。 目も眩むような緑の閃光が走り、まるで目に見えない大きなものが宙に舞い上がるような、グォーッという音がした。その瞬間、クモは仰向けにひっくり返った。何の傷もない。しかし紛れもなく死んでいた。女の子が何人か、あちこちで声にならない悲鳴を上げた。
ムーディは死んだクモを机から床に払い落とした。
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鵲(プロフ) - (・´-・｀）ﾄﾞﾔｧさん» ありがとうございます…！うーん、端末によってwebの検索の仕方が違うとは思うのですが、直接リンクを開くと作品に飛べると…思います…若しくは、R18を表示できる設定にしていれば、私の作品ページから飛べないでしょうか？＞＜お手数おかけして申し訳ありません！ (4月20日 3時) (
レス) @page43 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
(・´-・｀）ﾄﾞﾔｧ(プロフ) - レヴィアタンの独白を読んでこの方すげぇな…って感動してしまいました！先程のコメント通りにwebの検索欄にペーストするとあいばくのアイソレーションという作品に飛んでしまうのですが…。すいません。その場合どうすれば良いでしょうか？？ (4月19日 7時) (レス) @page43 id: 831d7e662a (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - かなさん» 読んでくださりありがとうございます😭！リンクをコピーしてwebの検索欄にペーストしたら飛べないでしょうか…！ (3月27日 5時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - 神崎さん» ありがとうございます！🙏😭R18あまり自信はないのですが、お楽しみいただけたら幸いです……😭😭 (3月27日 5時) (レス) @page43 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
かな - 全ての作品楽しみに見させてもらってます！R18作品がリンクから飛んでも見れなくて、どこから見せますか？🥺 (3月25日 9時) (レス) @page43 id: 6549d2c57b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵲
| 作成日時：2024年2月24日 6時
