059 ページ9
、
Aがドラコ・マルフォイらとつるむようになってから、というよりも、フィオナへのあの侮辱の一件から、フレッドとジョージもAには話しかけなくなっていた。
せいせいする、これで鬱陶しいあの二人にもう付きまとわれなくて済む、そう思う反面、心のどこかでざわつく気持ちが存在していたことに、Aは気づかざるを得なかった。しかし、それを見てみぬふりしないと、やっていけそうになかった。
「ここにいたのか、A」
いつものように図書室で勉強していたAのもとへ、ドラコがやってきた。
「君、本当にいつも図書室にいるな。毎日勉強しているのか？」
「ああ」
Aは本に目を落としたままドラコの問いに答えた。
「もうすぐグリフィンドール対ハッフルパフのクィディッチ試合があるだろう。君は見に行くのか？」
「行く予定はない」
Aが答えた。
「前回も観戦には行かなかった。興味がないから」
「今回の審判はスネイプ先生がするらしい」
ドラコはニヤッとうれしそうに笑った。
「どうだ、ハリー・ポッターが恥をかく様子を見に行きたいと思わないか？」
Aはハリー・ポッターのことなどどうでも良かったが、断る理由も見つからなかった。Aはドラコからの誘いを承諾すると、本を閉じた。
「そろそろ談話室に戻る。図書室も閉まるし」
「ああ……そうだな。僕も戻ろう」
Aが立ち上がった。ドラコがAの後を追って、隣を歩いた。図書室の外に出たとき、ドラコはネビル・ロングボトムを見つけて、即座に嫌がらせをし始めた。
「やあ、ロングボトム」
ネビルが振り向くやいなや、ドラコは杖を取り出し、ネビルに向けて振った。すると、ネビルの両足がピッタリとくっつき、ネビルはそのまま体制を崩して地面に倒れ込んだ。
「誰かに試してみたかったんだ───いい格好だぞ、ロングボトム。君にはそれがお似合いさ」
ネビルが涙目になったのを見ると、ドラコはますます面白そうに笑った。
「ロングボトム、君は本当にグリフィンドールにふさわしくないな。まるっきり勇気がない。君もそう思うだろう？A？」
ネビルが同寮のAを見つけて、助けを求めるように見た。しかしAはネビルから目を逸らした。
「ああ」
Aはそうとだけ言うと、そのまま廊下を歩いていってしまった。
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 571人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鵲(プロフ) - あんみつさん» ここの二人を複雑な関係性にしたかったので嬉しいです…🩷💖ありがとうございます😭😭💓 (7月3日 17時) (
レス) @page50 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ(プロフ) - フィオナが悪い子じゃないのはわかるけど夢主ちゃんの気持ちを思うとスッゴくもやもやする〜!!でもこのモヤモヤが最高です！ (7月3日 16時) (レス) @page43 id: 8881878887 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - kokonaさん» ひゃぁ〜ありがとうございます…💕💕可愛く書けてたら嬉しいです‼️😭😭🩷🩷 (7月3日 5時) (レス) @page46 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
kokona(プロフ) - ヒロインちゃん可愛すぎる……大好きです😭 (7月1日 23時) (レス) @page32 id: d3088186d6 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - ぽてとさん» 初コメありがとうございます‼️💕ひゃー嬉しいです😭🩷🩷ありがとうございます🩷🩷がんばります‼️‼️‼️‼️😭😭😭🩷🩷 (6月29日 1時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鵲
| 作成日時：2023年6月16日 2時
