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妖精に似た胴体はびっしりと黒い毛で覆われ、輝くコガネムシのような羽を震わせ、針のように鋭く小さな歯を剥き出し、怒りで四つの小さな拳をぎゅっと握り締めて飛んでくる。
Aはその顔に向けてドクシー・キラーを噴きつけた。ドクシーは空中で固まり、ズシンとびっくりするほど大きな音を立てて、そのまますり切れた絨毯の上に落ちた。Aがそれを恐る恐るというように覗き込み、ゆっくり掴んでバケツに入れた。
「フレッド、何やってるの？」
ちょうどその時、おばさんが鋭い声を出した。
「すぐそれに薬をかけて、投げ入れなさい！」
振り返ると、フレッドが親指と人差し指でバタバタ暴れるドクシーを摘んでいた。
「がってん承知」
フレッドが朗らかに答え、ドクシーの顔に薬を噴きかけて気絶させた。しかし、おばさんが向こうを向いたとたん、フレッドはそれをポケットに突っ込んで、様子を見ていたハリーとAにウィンクした。
「『ずる休みスナックボックス』のためにドクシーの毒液を実験したいのさ」
ジョージがヒソヒソ声でハリーとAに言った。 鼻めがけて飛んできたドクシーを器用に二匹まとめて仕留め、ハリーとAはジョージのそばに移動した。ハリーがこっそり聞いた。
「『ずる休みスナックボックス』って、何？」
「病気にしてくれる菓子、もろもろ」
おばさんの背中を油断なく見張りながら、ジョージが囁いた。
「と言っても、重い病気じゃないさ。さぼりたいときにクラスを抜け出すのには十分な程度に気分が悪くなる。フレッドと二人で、この夏ずっと開発してたんだ。二色の噛みキャンディで、両半分の色が暗号になってる。『ゲーゲー・トローチ』は、オレンジ色の半分を噛むと、ゲーゲー吐く。慌てて教室から出され、医務室に急ぐ道すがら、残り半分の紫色を飲み込む――」
「『――すると、たちまちあなたは元気一杯。無益な退屈さに奪われるはずの一時間、お好みどおりの趣味の活動に従事できるという優れもの』とにかく広告の謳い文句にはそう書く」
おばさんの視界からじりじりと抜け出してきたフレッドが囁いた。フレッドは床にこぼれ落ちたドクシーを二、三匹、さっと拾ってポケットに入れるところだった。
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鵲(プロフ) - mp0623さん» エヘ…嬉しいです！！こちらこそありがとうございますー！ (2022年4月21日 3時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
mp0623(プロフ) - めちゃくちゃいいところで終わってウワーー！！！ってなっちゃいました……ありがとうございます。 (2022年4月13日 4時) (レス) @page38 id: 2d647e4096 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵲
| 作成日時：2022年4月3日 23時
